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第十五話 人間の底力

『少し考えれば、当たり前だよなぁ……』


 万全の態勢で出兵した連合軍は連戦連勝、次々と都市を取り返していく。

 そして、都市を取り返したら……復興と防衛を考えなければならない。


『これ、補給線も考えるのか……はい、長期戦確定と……

 やっぱり兵器開発定点防御しっかりとやっておいて正解だった。

 防壁もボロボロだし、復興に人手が必要だし、兵站確保の拠点にしたいところは重点的に……』


 猫の手も借りたいほど忙しく、最高に楽しい!

 人を動かして、軍を動かして、物資を動かして、それらががっつりうまく行くと震えるほど気持ちがいい。

 

『輸送部隊を狙うような魔物もいるし、敵にもまぁまぁ考えられる者がいるんだな……

 あんまり無能を相手にしてもつまんないけど、強すぎるのも困りものなんだけどね』


 なんとか少しづつ戦線を押し上げることに成功する。

 久しぶりに土をもりもりして奇跡を見せてみたりもした。

 いいよね、これぐらいは……


『それにしても、時間をかけてしまったせいでインフラボロボロでほとんど作り直しだな……

 でも、いろんな施設もレベルアップしてるから、これはこれでいいかもな。

 敵の本拠地も視野に入ってきたし、次の都市は攻防の要、必ず落として復興しないと!』


 敵地深くに攻め込めば、それだけ戦線が伸びて兵站確保が重要になる。

 なるべく敵を囲い込むように包囲し、その輪を狭めていくことで補給線を落とされる可能性を減らしている。時間はかかるが、それを支えられる生産力は育ててきた。つもりだ。


『さすがもと王城、守りが固い。しかし、すでにそのレベルの城壁は時代遅れなんだよー、工作部隊かかれー!』


 城壁に爆弾を設置してドカーン。これで城壁は瓦礫と化す。

 魔物達に技術革新に対応するなんてことは不可能、これが人間の知恵と努力じゃい!

 城壁の上から人間たちを見下ろしていた魔物たちは慌てて戦闘に入るが、時すでに遅し。

 城内になだれ込んだ兵士たちの前に魔皇帝直属の四将軍が一人火のゲルグーンが現れた!


【まさかこの私の元までやってくるとはな……しかし、圧倒的な力の前に数なぞ意味が無いことを思い知らせてやる!】


 巨大な火柱が城を包み込み、城に詰め掛けていた多くの兵士が負傷してしまった。

 すぐに治療を迅速に開始する。衛生兵だって医療だって医療魔法と組み合わさって進化しているんだ。

 精鋭を集めた部隊の装備を対火炎装備に換装して戦いに挑む。

 いきなりアクションRPGになるのは勘弁してほしい。

 魔導銃による氷結魔法射撃の援護もあって、無事にゲルグーンを撃破し、王都を取り戻した!

 十字砲火に晒されながらも抵抗してくるゲルグーン、見事だったよ……


『戦争はね、数と質だよ……それを見誤ったな四天王……』


 対魔皇帝最前線基地として王都を復興していく。

 最終決戦に向けての準備を着々と積んでいく。

 途中風のタイフーンが襲ってきたが、多くの戦士たちの勇敢な作戦の元、魔導大砲ヴォルゲックスの一撃を受けて絶命した。

 王都で建造されている移動要塞ゴジャスグレイトの主砲でもあるヴォルゲックスは文字道理魔皇帝軍に風穴を開けた。


 最終決戦の場となったのは山頂の城ではなく山のふもとに広がる雪原、水のバシャーンと地のドスーンが大量の魔物と共に最後の防衛線を挑んできた。

 歴戦の兵達と、移動要塞によって互角以上に戦闘は展開したが、最後に四天王二人による命を賭した特攻によって移動要塞は破壊されてしまう。

 それでも、神獣に加護を得た8人の勇者が、魔皇帝の城へと続くダンジョンへと挑んでいく。

 その後に続くは20万を超える兵士たち。

 兵站の維持や勇者たちの手厚いケアをしながら、焦ることなくじっくりとダンジョン内を人間で埋め尽くしていく。

 とうとう魔皇帝の待つ城も包囲する。

 4つの塔に眠る伝説の武器、魔皇帝を倒して裏の世界に眠っていた4つの神器を装備した8人の勇者と兵士たち5万による攻撃で、魔皇帝はついに滅んだ。

 魔皇帝が支配する異次元が崩れかけたが、統率の取れた部隊は迅速に撤退を行い、一人の犠牲も出すことなく異世界から脱出、8つの神具を用いて完璧な封印を施すことに成功した。


 こうして、長きにわたる人類と魔皇帝の戦いは人類の勝利という形で終焉を迎えた。


「この戦いの最中に発展した人類史の技術は、広く世界中に広まり、世界は幸せな時代を迎えるのであった。しかし、この技術の発達は必ずしも平和のためだけに用いられないことを、人々はすでに心のどこかで気がついていたのであった……第二部 完」


『感動した! よく頑張った! 人類凄い! 魔皇帝もまさか、あんな崇高な目的があったとはなぁ……でも、人間の未来を勝手に決めるな!! かっこよかったなぁ……』


「これまででベータ版のテストプレイは終了となります。

 ゲーム本編では更なる広がりのあるストーリーが展開されます。

 ご期待ください」


『ベータ版!? 今までのボリュームがベータ版!!??

 本編どうなるの!? やばいよね!!??』


「はい、やばいですよ!!」


『うーわめっちゃ楽しみ!! 早くプレイしたいわー!!』


「このまま本編をご購入される場合は、下記注意事項にご同意の上でご注文ください」


『このまま買えるの!? 注意事項注意事項、ああこれか……』


 俺は注意事項とかはしっかりと読む。

 能力のおかげでやばいところはすぐわかるからね。


『……なるほどね。犯人は生誕さんですか……』


「!!!???? な、な、なんのおはなしでしょう?」


『注意事項の癖が弊社の形態をとられていますね。

 犯罪行為ですよこれ、すぐに元の世界に戻してください』


「な、何をおっしゃられているか……わかりかねます」


『……裏コード8918917676』


 同時に目の前が真っ白になって。体の感覚が急速に戻ってくる。

 四肢があって、顔がある。人間の体の感覚だ。

 俺は頭に被されたヘルメットを外し椅子から体を起こす。


「ど、どうして……」


 俺の周りには白衣の研究員が停止したコンピューターを起動させようと躍起になっている。

 一人の女性が青ざめた顔でこちらを見ている。


「田中さん。フルダイブ式の危険性は以前話しましたし、協力できないとお話しましたよね?」


「……はい……」


 この女性は田中 シェイロンさん。Liveのライバルである生誕の開発責任者だ。


 今回の騒動の黒幕が、ようやくはっきりした。


 

 


 

驚きの展開に、作者も驚いています。

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