表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

14/17

第十四話 魔皇帝現る

 若き英雄、元勇者。

 肩書としては非常に素晴らしい。

 国民の悲しさを癒す新たなリーダーが立った。

 そして、沸き上がる国家の拡張。

 充実した領土の統治、十分に増えた国民。

 次に浮かぶのは他国への侵略……

 周辺国家は自国家よりも小さく、広い手つかずの土地が残っている。

 これを活かしてあげることが、その国家にとっても幸せなことではないか?


『これは……もう、諦めるしかないかな……』


 他国への侵略、人と人同士が本格的に争う。

 俺的には、出来ればして欲しくなかった……

 しかし、俺は見守ると決めたんだ……

 

 この杞憂はいいんだか悪いんだか、まったく別方向からの影響で未然に防がれる。


【フハハハハ、人間共よ! 我が支配下に治まるがよい!!】


 魔皇帝の出現だ。

 北方に存在するエヴァンレスタイン山。

 その山頂は雲を抜けてさらに高く、人間が登ることも不可能な断崖絶壁。

 その山頂に突如として魔皇帝の城が現れたのだった。


 魔皇帝は大量の魔族、魔人を世に送り込み、周辺国家を飲み込んでいった。

 人間たちは圧倒的な魔皇帝軍の前に成すすべもなく撤退を繰り返し、ついには我が国まで迫ってきた。

 今、人類存亡をかけた戦いが幕を開けた!!


 というナレーションが入った。

 どうやらリアルタイムストラテジーで魔皇帝軍をなんとかせねばならないみたいだ。

 わが軍最強のユニットは王でもある勇者。

 いかに効率よく魔皇帝軍を押し返して勇者を魔皇帝の元へと送り届けるか。

 人間軍は協力して魔皇帝と対峙しなければならない。

 我が国の防壁は強力で、何とか連戦連勝を続けていた魔皇帝軍の足止めに成功する。

 一刻も早く人類側の共通の認識を植えなければならない。

 教会を通して人々に手を取り合うことをお願いする。

 各国の王は連合軍を形成し、その力を我が国へと集中させることに成功する。

 外交もなかなかに難しい。狂ったようにマイライフをやってたくさんの内政官を育てていてよかったよ。

 こっちには天才型を丁寧に丁寧に育てた戦略戦術の申し子の天才軍師もいるからね!

 燃えるぜ、燃えるぜ!

 

 しかし、実際に始まってみると、これがまたなかなかうまく行かない。


『なんだこの国、食糧自給率こんなに低いの? 支援するしかないだろ……

 維持費が……仕方ない、魔物討伐で……ああ、そっちの都市に攻撃が……防衛隊を向かわせて……

 やばい、食糧が……海沿いの都市に技術者を送って漁業を……ああ、装備の素材が不足気味だ。

 こっちの都市にはこいつらを派遣して……』


 適切な場所に適切な人材を配置して、物資の運搬や人の運搬をコントロールして生産力を上げながら自転車操業が続いていく。

 マイライフ中は時間停止というのが無ければとっくに詰んでいる。

 必要な人材をその都度マイライフで育てて送り込んで、時間が経過したらまた必要な人材が現れて、各所でトラブルの対応に追われて……現実逃避でマイライフやったら天才型が出て超集中して育成して……

 結局世界全体の国家の管理をする羽目になった。


『イライラして魔王軍の背後に深い谷を作っちゃったよ、地形チート使いたくなかったけど……

 これで飛行型以外のユニットは行軍が遅くなるだろう……』


 とりあえず前線に近い国は工業技術を優先、後方の国でそれを支える物資の確保、こうなりゃ出し惜しみせずボコボコとダンジョンも作ってしまおう。さらに後方では食糧を中心とした物資の確保。

 これらを結ぶ交通網の整備も進めていく。

 医療技術の向上、食糧状態の改善で人口増加させて、さらに人手を作っていく。

 魔皇帝軍との戦闘も出来る限り犠牲を出さずに疲労を貯めずにローテーションをしっかりと組ませていく。今は防衛だけでいい、国を、というか人間社会を安定させなければ行軍なんてもっての外だ。

 内政と人材育成、装備発展が今の役目、皆頑張れよー……


『適当に山を作ったら坑道ダンジョンが生まれた! ラッキー! 冒険者をどんどん送り込め―。

 よしよし、農業も作物を最適化していい感じになってきた。漁業も新型の船でかなり効率が上がったな。やっぱり、戦争は発展を呼ぶんだな……人間が生き残るために必死になるとこんなに強いのか……』


 魔物との戦いで兵や将を少しづつ成長させていく。

 ダンジョンなどで冒険者も成長していく。

 代替わりもあるが、二世は親の能力に影響されるために、全体として進化していく。

 王族は聖剣の加護のおかげで長命になっているなんてご都合主義が働いてくれているので、バンバン有能な子供を産んでもらう。これ、跡目争いどうなっても知らんぞい……


『え? 外洋大型船作ったら海賊が……武装船団なんて作ってる暇……お! 海賊船倒すとこんなに色々もらえるの!? よっしゃ、開発だ開発! そうだよ、海上部隊もいれば戦争でも有利だろ!!』


 随所に脇道へ誘い込む罠が仕掛けられていて、まんまとその罠を踏み抜いていくプレイスタイル。

 病気なので仕方がないんですすみません。


 結局、強大な魔皇帝軍に反攻作戦が組めるようになってきた頃、剣と魔法の戦いから、火薬と銃弾飛び交う世界に片足を突っ込み始めていた。

 魔導技術と科学技術の融合ってほんとに夢とロマンがあふれ出ていて脳汁があふれるほど好きなんだよね!!


 そして、やれるだけのことをやり、魔皇帝軍に反旗を翻す刻が訪れる。

 世界中の想いを乗せて、人間たちの希望が今出兵する。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ