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竜のいる日常  作者: 柳都
3/6

白い子竜

とりあえずプロローグと言うか導入は終わります。

ここから多分だいぶ長い間シリアスっぽいのも無いと思います。(そもそもこれもシリアスか?)

こうして書類を受取り、昼食を取っていないことに気づき、喫茶店で軽食を取りつつ書類を眺める。


「拾った経緯…家庭環境…名前…名前は生まれてからの方がいいか」

書けるところは書いてしまおうと思い筆をはしらせる。

結局竜の名前の欄以外はあらかた書いてしまうともうだいぶいい時間であることに気づく。


「あ…もうこんな時間か、詩織さんに悪いしさっさと帰ろう」

すぐに支払いを済ませ、本屋で適当に目に付いた白痴にして盲目でもわかる!竜の飼い方!という本を買い家に戻る。


「すいません!詩織さん…すっかり遅くなってしまって…」


「ん?ああ、いいってことよまあボクも勝手に上がっちゃったしね」

適当な返事が帰ってくる。


「ん…?ボク?」


「やあ、キミ。久しぶりじゃないか。済まないね挨拶もなしに上がり込んでしまって、キミに会いにきたら丁度しおりんに代わりを頼まれてしまってな」


「ああ!蓮か!いつもの格好じゃないから誰かと思ったよ」


「キミねぇ…ボクがいつもゴスロリばかり着ていると思わないでくれよ。と言うかいつもああいう格好なのは大体会うのがボクの家だからだ。あれは部屋着だよ」


「へぇ…趣味なのかと思ってたよ」


「いや…まあ趣味なのは否定しないが…ああ、今はボクの格好なんてどうでもいいんだ」

蓮は腐れ縁の中のひとりだ。小柄な身体でだいたいゴスロリを着ているんだが今日は普通の服装をしている。

こんなのでも今はどこかの会社の社長をやっているらしい。世も末だ


「おい、キミ今何か失礼なことを考えなかったか?」


「いえいえそんな」

ジト目で睨まれる


「……まあいい、キミは次いつこっちに来れる?」


「そうだね…とりあえずこいつが長期間外連れ出せるようになるまでは厳しいかな」

卵に手をおいて言う。

卵は軽くコツコツと音を立てている。そろそろ生まれるかもしれない。


「ああ、そいつか。キミも可愛いところがあるじゃないか竜を育てようだなんて。キミなりのセンチメンタリズムかい?」

どこか淋しげに卵に触れる蓮。


「そんなことは…いや、そうなのかもしれないな。今でも俺は引ずっているのかもしれない、にしたってただの感傷さ、そこまで大きな意味はない」


「まぁ、そうさね。で、こいつの名前はもう決めたのかい?」


「いや、生まれる前に変な名前つけて全く違うやつが出てきても困るからな…ワイバーンだと思ったらベヒモスだったとか」


「なんだ、こいつ落とし子かい?それなら確かに生まれてから決めたほうがいい」

そう言うとパキッと音がなる


「お、そろそろ生まれるんだな」


「生命の誕生とはいつ見ても良いものだね」


最初は小さな音も時が過ぎるに従い、段々と確かに、大きくなっていく。

竜の卵の殻は硬い、しかしそれを開くのを手伝うことは許されない。なぜなら竜は力持つものだからだ、人に飼いならされようが狼が犬になったような本質の変化は起こらない。

ゆっくりと、だが確実に生誕の時は近づく。彼女はこの世界に生まれ、育つ。俺は彼女にどれだけのことをしてあげられるだろうか。

それは楽しみでもあり不安でもある。


そして硬い殻を破り、歪なこの世界に生まれた小さな命を見る。


何者にも染まっていない白銀の鱗、理知の光の浮かぶ眼、小さいながらしなやかな体躯。

俺はその姿を見た瞬間呟いた。


「フィナ…」

「お前の名前はフィナだ!」


フィナは承知したんだかしてないんだかわからない顔で「ヴァ」とだけ鳴いた

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