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ありす☆らぶ  作者: 湖森姫綺
98/156

no.98

 宮川は台所に入って

「お父さんが勝手に作って食べろって言ってたんだけど、いいのかな?」


「うん。ママも言ってた。どうせ宮川君に作ってもらうんでしょ、なんてね」

「はははっ、その通り~」


 お雑煮を作って二人で食べた。

 お腹が一杯になっちゃうと着物って余計辛い。


 リビングのソファに座った。

「ここのほうが楽。着物だと」


「そうだよな。この帯なんて苦しそう……」

「うん。この下に何本も紐結んでるんだよ。それが当たって結構痛かったりするの」


「脱いだほうがいいなら着替えてこいよ」

「ううん、いいの。ママたちが帰ってくるまで」


 リビングで2時間くらいお正月番組を見た。

 私はいつの間にか眠ってしまったらしい。

 そして宮川も……。



 ******



「いやぁね、なに、この二人。結局、ここで寝てたのかしら」

「そのようだね」


「もう幸せそうな顔して……」

「僕らはなんの為に出かけてたんだろうね、ママ」


「ほんとうにね」

「世話の焼ける子供達だ。なにか持ってきてかけてやりなさい」


 霧の向こうで聞こえていたパパとママの声が、覚醒とともにはっきりしてきた。


「う~ん」

「あら、起きちゃった」


 目を擦って見るとママとパパが覗きこんでいた。

 わっ!

 そのまま固まってしまった。


「う~ん」

 私に腕を回して眠っていた宮川も目を覚ました。


「おや、こちらもお目覚めだ」

「えっ?」

 宮川も目を覚ましたまま、固まる。


「こんなところで寝てると風邪引くよ」

 パパはソファに座って言った。


「あれ、俺までいつの間にか眠っちゃって……」

 そういいながら宮川は私に回していた腕を戻した。


 ドキドキ……。

「昨日、寝てないから疲れたのよ。今夜は早めに食事して、寝なさいよ」


「ママ、お茶!」

 パパが言った。

「はいはい」


 ママはお茶を持ってきてから言う。

「アリス、着物、疲れたでしょ。着替え手伝ってあげるから」

「うん」


 ママと一緒に部屋に行く。

 やっと脱げるぅ~~~っ。


「やぁね、あなたたち、なにしてたの?」

「えっ、お昼食べてテレビ見てたら眠くなっちゃって。先輩が寝てもいいっていうから」


「で、ふたりして眠っちゃってたわけ?」

「そうみたい……」


「あ~あ、ばかばかしい」

「なにが?」


「なんでもないわよ」

 着物を脱ぐと本当に気持ちいい。


「ふぅ~、開放されたぁ」

「アリス、早く着ちゃいなさいよ。ママ、下に行って食事の用意しちゃうから」


「はぁ~い」

 伸びをして、はぁ、本当に楽になった。

 着物着たまま寝ちゃったから体がぐきぐきする。


 コンコン。

「アリス、お母さんが目が覚めるようにって渋いお茶」

 宮川の声がした。


 ワンピースをスポッと着て、ドアを開けた。

 宮川はお盆をコーナーテーブルに置いた。


「着替えちゃったんだな」

「うん。や~っと楽になったぁ。やっぱり着物は1年に一回でいいかな。肩凝っちゃった」


「はははっ。じゃ、肩揉んでやるよ。座れよ」

「えへへっ、お願い」

 私が座ると後ろに座って肩を揉んでくれた。


「気持ちいい?」

「う~ん、とっても……」

 5分くらいやってもらうと気持ちよくなった。


「もういいよ、先輩」

「そう? じゃ、ちょっと……」

 降ろした髪をよけて後ろから首筋にキスされた。


「くすぐったい」

「きれいだった。本当に……どんどんきれいになって……俺はドキドキだな」


 宮川は後ろから抱きしめてそんなことを言った。

 ドキドキは私だけじゃないんだね。


「お父さん達に感謝しなくちゃな」

「うん?」


「言われちまった。せっかく二人にしてやったのにって」

 ……パパってばなに考えてるんだぁ。


「俺が我慢してるのわかってたから。でさ、二人にしてくれたわけ。でもそういう話したあと、だもんな。さすがに」

「そ、そうだよね」


「でも、また我慢できなくなりそう。アリスがこんなに側にいるから」

「や、やだ……」

 私は慌てて宮川から離れた。


「逃げるなよ。なんにもしねーよ」

 な、なんかもうドキドキ続きで疲れちゃうよぉ。


「ほら、下行こうぜ」

「うん」


 ドキドキが一杯で疲れちゃう時もある。

 でも楽しいかもっ。

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