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ありす☆らぶ  作者: 湖森姫綺
91/156

no.91

******



 暖められた部屋。

 今日は違うCDがかかってた。


「なんだか静かな曲……」

「これも好きなんだよ」


「先輩ってもっと賑やかな感じの曲、聴いてるのかなって思ってた。ほら、生徒会の親睦会でカラオケ行ったでしょ。そのとき歌ったみたいな明るい歌……」


「ああ、まぁね。あーいうのも好きだけど、一人で聴くのはこーゆーのがいいかな。ふたりで聴くのも……」


 ひゃ~~~っ、髪にキスされた。

 ドキドキ。


「わ、私もこういうの、好きだよ……」

 か、髪、離してよ……。

 ドキドキが苦しいよ。


「おまえって、ほんっとかわいーの」

 うっ。


「おまえのその反応がおもしろい」

「ま、ま、また私で、あ、遊んでる」

 髪をクイッと引っ張られてそのまま抱きしめられた。


「痛いでしょっ」

「わりぃ……おまえがどんどんかわいくなるから、悪いんだよ」

 なに、言ってるのか……。


「今夜もこっちで……いいだろ……」

 で、いきなりそういうこと言わないでよ。

 一気に体温上昇しちゃうじゃない。


「アリス……だめ?」

「……だめ……」


「えっ?」

「じゃない……」


「脅かすなよ、バカ。俺、先シャワー浴びてくるよ」

「うん」


 体離されてホッ。

 ドキドキがなかなか収まらない。

 また今夜も……。


 RRRRR……。

 ひぃ~~~~~~っ。


 思いっきり飛びあがった。

 こういうときに電話なんて掛けてくるのは誰?!


「は、はい。桐原です」

『あっ、アリスちゃ~ん、元気ぃ?』


「ママ……」

 思いっきり明るい声にちょっとげんなり。


『ねっ、もうご飯食べた?』

「うん、食べた」


『宮川君に作ってもらったの? 今朝、電話したとき、アリスに包丁持たせないでねって言っちゃったから』

「サラダだけ作ったよ、私も」


『まぁ、そうなの。でもそうね、少しできるようにならないとねぇ』

「あの、なに、ママ?」

 わざわざ電話してきて、そんな話……。


『あっ、ごめんね。どうしてるかなって、寂しくない? えっ、なに、パパ?』

 なに、そっちで話してんのよ!


『パパがね、宮川君が一緒だから心配いらないって』

「こっちは大丈夫だから、ママたちは旅行楽しんできてよ」


『そうね。明日のお昼頃には帰れるようにするわ。それじゃ、おやすみなさい』

 もう、大した用事もないのに脅かさないで……。


 パタン。

 宮川がお風呂からあがてきた。


「あれ、電話?」

「うん、ママから。明日のお昼頃に帰るって」


「そっか」

 パジャマ姿の宮川。

 肩にタオルを掛けて濡れてる髪を拭きながら横に座った。


「おまえも入ってこいよ」

「うん」


「あっ、おい……」

 そう言ってチェストの引出しからネグリジェの入った袋を取り出して差し出す。


「これ、今日も着てこいよ」

「や、やだよ」


「いいから」

「先輩のエッチ!」

「ふたりっきりってそんなにねーんだ。着られるときに着ろよ。ほら」


 ぶーっ。

 無理やり持たされたネグリジェを持ってお風呂に。


 熱いシャワーを浴びた。

 上がってから髪乾かしていて鏡に映る胸のあざに視線が行く。


 こんなふうに本当にあざになるんだ。

 ボッ。


 二人きりの夜なんてなかなかないかも。

 でもやっぱりこれは恥ずかしいなぁ。

 ネグリジェを見て思う。


 だけど明日になったらママたちも帰ってきちゃうんだよね。

 え~~~っい、着ちゃえ!!


 宮川の部屋に入るのにちょっとためらったけど、思いきってドアを開ける。

 宮川は手に持っている本に夢中なのか、こちらを見ない。


 今のうち……とばかりにささっと隣に座ってしまう。

 明かりがついているところでじっと見られるのは恥ずかしいもんね。


 それにしてもそんなに真剣になに読んでるのかなぁ。

 私はそっと近づいて覗いてみた。


 神聖な祭壇の……至高の時に神は……???

 な、なんだか私が読んでも多分おもしろくないものみたい。


 ふぅー。

「あっ、わりぃ。つまんないか……」


「ううん。読んでていいよ。私も本持ってくる」

「ああ」


 宮川はまたすぐに視線を本に落としてしまった。

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