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ありす☆らぶ  作者: 湖森姫綺
83/156

no.83

「やってくれるじゃねーか、おまえらっ」


 ドアからまっすぐ伸びる赤いジュータン。

 その先には祭壇?

 そこに神父様みたいな格好をして立つ大里。

 ま、まるで結婚式……。


「ここまで来たらやってもらわなくちゃ。別に本物の結婚式するわけじゃないのよ。私達に恥じかかせないで」

川上が言った。


「行くぞ、アリス」

「えっ、や、やだよぉ」


「いーじゃねーか、こんくらい。かわいー企みだぜ、な」

 そりゃ、もっと怖いことされるよりいいけど。


「楽しもーぜ、アリス」

「……うん……」


「さっ、じゃ、大里君の前まで二人で進んでくださいね」

 川上に促されて歩き出した。


 赤いジュータンを挟んで全校生徒がいるんだよ。

 足、がくがくしちゃうよ。


 拍手が包み込む。

 大里の前まで来て止まる。


「今日、イブのこの夜に、ここでお二人の永遠の愛を誓っていただきます。いいですね」


 いいですねって言われても……。


「では……、宮川基樹、あなたはここにいる桐原亜李栖を一生愛していくことを誓いますか?」


 シンと静まり返った空気が怖いくらい……。

 どうしてこんなこと、いきなりするの。

 私、心の準備もなにもしてない……。


「はい、誓います」


 えっ?

 宮川の顔を見上げた。

 まっすぐ前を向いて、胸を張って……そんなにはっきり……。


「では、桐原亜李栖、あなたはここにいる宮川基樹を一生愛していくことを誓いますか?」


 えっ?

 大里の言葉にそちらを見る。


「誓いますか?」

 優しい顔をしてじっと私を見る大里。


「……俺が言ったのと同じことを言えばいいんだよ……」

 耳元でボソッと宮川が言った。


 同じことって言われても……。

 ……はい、誓います……。

 宮川の言葉が頭の中で繰り返される。


「アリス……」

「……はい、……誓います……」


 わぁ~~~~っ。


「やったやったぁ」

「素敵よ~」


 皆の大歓声が背中から一斉に聞こえた。

 皆で、いっつもいっつもこんなことばかりして、私、ドキドキばっかりで。


 こんなことばかり……して……。

 幸せ過ぎて、どうしていいかわからなくなっちゃうよ。


「この清きイブの夜に二人の愛は永遠に誓われました!」

 大里が叫んだ。


「アリス……」


 えっ?

 宮川がそっと私の両肩に手を置いた。


 またしんとした空気が支配して……。

 目を半分閉じた宮川が私を見つめてる。

 すーっと近づいてキスされた。


 またまた大歓声に包まれて、涙が溢れて止まらなくなった。

 抱きしめられる。


「さぁ、愛の儀式も終わったところで、ダンスパーティーいきますかぁ」

「おおーっ」

「わぁーっ」


 音楽が流れ始めた。

 ざわざわとみんなが動き出したのが気配でわかる。


「宮川君、少しアリスを休ませてあげて。びっくりしちゃったみたいだし。さっきの部屋、今日、借りてあるから、そこで」

 川上の声がした。


「差し入れも置いといたからね~。でも早めに戻ってきてね。みんな待ってるから」

 山内の声。


「ああ、ありがとな」

 そう言って、宮川は私を抱きしめたまま、大広間を出た。


 さっきの部屋に戻ってきても、まだドキドキが収まらなかった。

 しばらく抱いていてくれた宮川がそっと離れる。


「もう大丈夫か?」

「……うん……」

「わりぃな、俺もつい乗ってキスまでしちまった」


 私は頭を振った。

 ヘンだよね。

 全然恥ずかしいとかなかった。

 嬉しくて、ただそれだけで……。


「差し入れだってよ。飲む?」

「うん」

「おっ、ピーチの匂い。なんだよ、いっつも差し入れのジュースってピーチだな」


 聖桜祭の時もそうだった……。

 手渡されたジュースを飲む。

 甘い……。


「俺、ピーチ好きだよ。飲むんじゃなくて、こうするのがさ……」

 ジュースを取られていきなりキスされた。


「甘くっておいしーんだよな」

 そう言ってまたキスした。


「あいつら、ここまで計算してたりしてな」

 ドキッ。


「まっいいか。ほれっ、飲めよ」

「うん……」

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