no.77
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放課後。
私はニコニコッ。
その隣で宮川はムス~ッとしていた。
「先輩方にまでご心配かけちゃって本当にすみませんでした。でももう大丈夫です。お陰で元気出ちゃいました」
「な~んか、前より元気なんじゃない」
川上が頬杖ついて言った。
「は~い。元気ですぅ」
「なんなのよ、まったく。私、バッカみたいじゃない」
「そんなことないです。川上先輩のお陰ですもん。えへへっ」
「まっ、なんにしてもアリスが元気になったってのはいいんじゃない」
高田が言った。
「そ~そ~。やっぱりからかい甲斐のあるアリスがここにいなくちゃつっまいないもんねぇ~」
山内が言った。
「本当にありがとうございました」
「じゃさ、宮川。そろそろ会場のほう、準備に入らないとならないんだけど……」
大里が話し始めたけれど、途中で言葉を切った。
……し~ん。
「ねっ、なんで宮川君、不機嫌なのよ。アリスがこんなに元気なのに」
川上が言った。
あはははっ、やっぱり余計なこと言っちゃったのかなぁ。
ど~しよう……。
「そうよね、さっきからムスッとしちゃってヘンなんじゃない?」
山内も言う。
やっぱりどこからどう見ても不機嫌だよねぇ。
でもまさか川上先輩、殴るわけにいかないしねぇ。
「基樹、なんかあったのかよ」
高田が聞いた。
「ほっとけよ」
ムスッと言う。
「なによ、それ。みんな心配してるんじゃない。アリスがせっかく元気になったっていうのに、いい加減にしなさいよね!」
川上が立ちあがって言った。
な、なんか、昨日から川上先輩が変わったみたいな気がする。
「おい、大里。川上、切れる前に止めろよ」
高田に言われて大里が笑ってる。
「私もお願いよ、大里君。昨日みたいに怖い思いするのいや~よ」
山内まで言っている。
「なんなのよ、みんなして。私はね、心配して言ってるんじゃない! だいたいイライラするのよ。このふたり!」
「誰のせいだと思ってんだよ!」
げっ、先輩が反撃に出ちゃった。
「せ、先輩。落ち着いて。相手は川上先輩なんだよ。ね、忘れて……」
「うるさい! 相手が誰だろうと不愉快なんだ! アリスはおれのもんだ!」
え~ん、なんなんだよぉ~ん。
「あの、ところでなんで怒ってるんですか、会長……。相手が川上だとかなんとかって」
大里が言った。
ひぇ~~~っ、なんでもないですぅ~~~。
「あの、もう終わりにしましょう。ダンパの話もしなくちゃならないし、あの、私達、たくさん休んじゃってご迷惑かけちゃったし。せ、先輩、座って」
宮川の腕を引っ張って椅子に座らせた。
「ダメよ、アリス!」
ほっとしたかと思えばドッキン!!
川上の声で驚いた。
「こんな不機嫌な顔されてたら、仕事にならないでしょ」
「だから誰のせいだってんだよー。ったく」
やっと座った宮川がまた立ちあがった。
もぅ~~~っ。
「なにか私に言いたいことあるみたいね!」
「大里ぉ~」
高田が言ったけれど、大里もお手上げって格好を見せた。
「あるよ、多いにある。相手が女だろうが、多いにある!」
「言ってることが全然わからないわよ!」
「あ~ん、もう止めてくださいってば。私が川上先輩にキスされたって言ったら、怒っちゃったんです~」
がたんと音を立てて、宮川が座った。
川上は固まったまま、私を見つめている。
「きゃはははっ、話しちゃったのぉ」
「アリス、それ、ちとまずいんとちがうかぁ」
山内と高田が呆れてる。
「アリス、あれは……」
大里も頭抱えてしまった。




