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ありす☆らぶ  作者: 湖森姫綺
67/156

no.67

 ******



 やっとドキドキの一日が終わったと思って家に帰ったけれど、まだ騒ぎは続いていた。


「ねぇ、しっかり二人のキスシーン撮っておいたからね」

 ママはカメラを出して言った。


「ちょっとママ!」

「ビデオでもしっかり撮ったし、あとはこれを写真屋さんに出すだけよぉ。楽しみっ」


「そんなもの、写真屋さんに出さないでよ!!」

「だ~め、新聞部の子たちに頼まれたのよ。よく撮れてたらぜひ持ってきてくださいって」


 やめてよぉ~~~っ。

 すでに宮川は観念しているようでなにも言わない。


 そして土日をはさんで月曜日。

 しっかり私達の写真は新聞になって、校内に張り出されていたのだった。



 ******



 やっと聖桜祭のあとの冷やかしが静まってきた。

 秋が濃くなり、冬の気配が近づいてきた。


「なぁ、聖桜祭で盛り上がったのに今年もこれで終わりってのもなんだか寂しくねーか」

 高田が言った。


 いつものごとくなんの仕事もないのに6人が生徒会室に集まっていた。


「そうよねぇ、今年最後の大イベントやりたいわよねぇ」

 川上が言った。

 すっかりお祭り好きになってしまった川上だった。


「なんかいい案ないかよ、基樹」

 高田が言った。


「そうだなぁ、あとはクリスマスくらいしかないだろ」

「クリスマスダンパってのはどう?」

 山内が言った。


 クリスマスダンパ?

 なんだろう、それ。


「イブがちょうど終業式じゃない。夕方からみんなでダンスパーティーしたら最高よ」

 山内は目をきらきらさせて言った。


「そうだなぁ、会場どこか借りてやるか……」

 宮川も身を乗り出した。


 懲りないなぁ、先輩も。

 もともとお祭り好きだけど……。


「やっほ、やっほー。楽しみ!」

 高田が浮かれてる。


「それじゃ、早めに会場決めたり、いろいろやらなくちゃね」

 川上も乗り気。


「全生徒が入る会場となると結構広いところがいりますね。イブだから会場も早めに押さえないといいところはすぐに予約入っちゃうでしょうし」


「あっ、あと軽音部にも手伝ってもらえるように申し入れしなくちゃね」

 大里も川上と一緒になってやる気満万。


 私はというと聖桜祭でこりごり。

 でもパーティーは楽しみかな。


「会場には当てがあるよ。ちょっと聞いてみる」

 宮川が言った。


「そりゃいいですね」

 話はどんどん流れていく。

 本当にこういうことになると早いんだなぁ。


 でもみんなの表情を見ていて気がついた。

 物言わぬ視線が4人の間で交わされている。


 毎回、嵌められるのは嫌だもんね。

 今回は早めに察知しなくちゃ。


 解散して外に出る。

 グラウンドの横を歩いていると足元にサッカーボールが転がってきた。


「おーい、アリス。そのボール投げてくれ!」

「あ、はーい」


 そう言ってボールを投げる。

 全然届かなくて宮川に笑われた。


「あいつ、誰?」

「あっ、2週間前にうちのクラスに転校してきた池上武くん」

「ああ、この前言ってたやつか」



 ******



 帰り道……。


「アリス、あんまり気乗りしてないみたいだな。ダンパは嫌か?」

「そう言うんじゃないよ。また皆に嵌められそうで」


「はははっ、今回はすぐ気がついたようだな。もうなんか考えてんだろうな。あいつら」

「わかってて、なんで先輩はやる気になってるの?」

「いいじゃねーか。それなりに楽しいよ。今度は何をやらかしてくれるんだか」


 宮川はなんでも楽しいことに替えられる。

 でも私はもう疲れちゃうよ。


 生徒会に入って、宮川に出会ってから、目まぐるしく自分の周りが変わっていく。

 着いていくのにヘトヘトになってる感じがする。


「まっ、あいつらもそこそこのことしかやらないだろ。あんまりひどいようなら俺が阻止するよ。また楽しませてもらうくらいのつもりでアリスは、いていいから、な」


 そりゃ、ちゃんと先輩が守ってくれるのはわかってるけど、それでも疲れちゃうよ。

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