表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ありす☆らぶ  作者: 湖森姫綺
64/156

no.64

「先輩、鍵どこにあると思う?」

「そうだなぁ。あいつらのことだから……とりあえず生徒会室探そうぜ」

「そうだね」


 留守番の川上と大里に笑われながら生徒会室を探し回った。

 けれどどこにもない。


「他をあたってよ。生徒会室には隠してないから」

 川上が言った。


「ったく。覚えてろよ、おまえら。いくぞ、アリス」

 引っ張られるようにして生徒会室を出た。


「ねぇ、先輩、鍵見つからなかったらどーするの?」

「そしたら全校生徒の前でさらし者だろ」


「それだけはいやぁ~~~っ」

「見つけるさ。あいつらの思い通りにはさせねーよ」

「うん」


 とか言っているうちになんとお昼。

 本当にちゃんと鍵隠してあるのぉ~~~~~っ。


 焦り始めていた。

 だってだって、トイレに行きたいのよ。

 そろそろ我慢も限界なのよ~~~っ。


「あれ、おまえらもやられたのかよ」

 宮川の声に視線を上げると沙耶と沖野がしっかり手錠をして立っていた。


「朝一でやられました。バスケの先輩に」

 沖野が手錠を見せていった。


「で、まだ鍵見つかんないわけ?」

「だって、お兄ちゃん聞いて! 先輩たちってば沖野君がいないと客が来ないって離してくれないんだもん」


「ああっ、バスケ部はサイン会だったけ。そりゃメインの沖野がいなかったらなぁ」

「もう、呑気なこと言わないで」


「あら~、アリス、ここにいたの?」

 げっ、なんで学校でママの声がするの?


「今ね、生徒会室に行ったら走り回ってるって言ってたから、探してたのよ」

「なんでママ達ここにいるの?」


「そりゃ、あなた達が楽しんでるとこ見に来たのに決まってるでしょ。パパも午前中の講義だけだったから、ほら、ちゃんとビデオも持ってきたのよ」


 パパの手にあるビデオを指して言った。

「そんなもの、持ってこないでよ、恥ずかしいな」


「い~え、最後まで楽しませてもらうわ。なにか最後に大イベントがあるらしくて、最後までしっかり見ていってくださいね~って生徒会室で言われてきたから」

 また、余計なことを言ったのは誰!!


「おーっ、ここにいたか!」

 今度は誰?!


「捕まえたぞ。ほら、もう飯食ったんだろ。サイン会、やっぱおまえがいないとダメなんだ。戻るぞ」

 そう言ってバスケの先輩が沖野の腕を引っ張る。

 もちろんそれにつられて沙耶も。


「ちょっと待ってくださいよぉ。先輩。俺達まだ全然鍵探してないんですよ~っ」

「そんなのは後でいい」


「あとじゃ、困るんですってばぁ」

 無常にも二人は引っ張られて行ってしまった。


「かわいそう、沙耶」

「ほんとだな。こんな企画のために」

「それを誰が考えたんですか!」


 あはははっ。


「さぁさぁ、二人も鍵探すんでしょ。話は聞いたわよ」

 もういやぁ~~~。


 それから私達はまた校内を探し回った。

 でも本当に見つからない。


「せ、先輩。生徒会室行きましょう」

「なんだよ。諦めるのか」


「だって、だって、も、もう我慢できないんです、トイレ!!」

「ああ、さっきから顔色悪かったの、そのせいか」


 わかってたんなら気を遣ってよ。

 ところが川上も大里も工具を出してくれなかった。


「やっぱりこれ切っちゃうわけにいきませんよ。二人の仲は永遠じゃないと」

「だからなんなんだよ」


「つまり切れないってことよ」

「おまえらっ、いい加減にしろよ。緊急自体なんだ、早く切れ!」


「大方、アリスがトイレってとこでしょう。トイレくらい二人で入りなさいよ。好きなもの同士、それくらいいいんじゃない?」


「川上先輩~、そんな冷たいこと言わないで、くださいよぉ~。もう本当に限界なんだからぁ」

 血の気が引きそう。


「あらっ、アリス、ものすごく顔色悪いわよ。宮川君、早くトイレ連れていったほうがいいわ。早くっ」


 そう言ってまたまた生徒会室から放り出されてしまった。

 そんなぁ~~~っ。


「仕方ない。トイレ行くか」

「やだぁ~」


「行かなくていいの?」

「……行く……」

 一番近いトイレ……。


「あっ、ちょっと先輩、そっち男子トイレだよ」

「こっちにしろよ。俺、女子トイレなんて入れねーからよ」


「やだ、私だって男子のところなんて入りたくない!」

「こっちなら女用も大丈夫だろ」


 ひぃ~~~~~ん。


「ほら、早くしろ」


 トイレの個室に入ってもこれじゃできない。

 先輩も一緒なんてできない。


「せ、先輩。耳塞いでて!」

 と言ったものの、手錠をしている手まで引っ張られて……これじゃ、できないじゃない。


「早くしちまえ。水流しながらすりゃ聞こえねーよ」

 そっか、その手があった。


「じゃ、そっち向いててください!!」

「はいはい」


 はーっ、なんでこんなことしなくちゃならないの。

「終わったんなら次、俺な」


 ぎぇ~~~~~~、やめてよぉ~~~!!

「実は俺もちと我慢してたんだ。付き合え」


「付き合えません。だめですぅ~~~」

「静かにしろ。誰か来たらどーすんだよ」


 だってだって、と耳を塞いだ。

「あのさ、片手じゃできないんだけど」


 うっそ……。

 もう、精神状態180度くらいひっくり返っちゃって……。


 トイレを出て……。

 あ~、一年分の冷や汗かいた気がする。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ