no.61
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いろんな思いを乗せて夏休みは終わった。
そして一月が過ぎた。
「基樹、そろそろさぁ、聖桜祭の企画立てたいなって思わない?」
高田が言った。
今日もみんな生徒会室に集まっていた。
2学期が始まってほとんど皆こうして集まっていた。
「そうだな。部毎の出し物やらはもうそれぞれ決めてるんだろうし、生徒会もなにかやらかさないとな」
また、なにか突拍子もないことをやろうと考えてるんじゃないでしょーね。
私は川上と視線があった。
あっ、川上先輩も私と同じこと、思ってるんだ。
「体育祭であれだけ盛り上がったし、メイン行事の聖桜祭で何もないなんて皆に叱られますね」
大里が言った。
え~っ、大里もしっかり宮川に染まっちゃってる。
ぎょっとして川上が大里を見るところなんて、おかしい。
「どんな企画がいいかな。体育祭はこっちで勝手に企画しちまったからなぁ。今度はみんなにアンケートでもとるか? 何がやりたいかって」
「そうですね。それがいいと思います」
川上が冷静に答えた。
まだ宮川がとんでもない案を出すより、みんなの意見を聞いたほうが無難かもしれない。
私もそう思った。
「そんじゃ、さっそくアンケート箱設置! 決まったらさっさと行動開始」
「まずはみんなにアンケート用紙配らなくちゃ。アンケート用紙はどうします?」
川上が聞いているうちに、また宮川はノートを一枚切るとササッと書いた。
それには聖桜祭でやりたいことは?と書かれていて、ここに君のアイディアを書いてくれっ!
アンケート箱はここ。
と、簡単に描かれた学校の見取り図に丸印がつけられていた。
「じゃ、ペーパー作っちゃうわね」
「じゃ、私と俊平はアンケート箱設置しま~す」
「由美、がんばるぞっ」
そんなに力入れなくても……。
それにしてもやるとなったら行動が早い。
結束が固いんだか、ただのお祭り好きが集まったんだか……。
こういうの見てると以前のパーフェクトのアリスに戻って冷静に分析してしまいそう。
バタバタとやること始めた4人を私は見つめていた。
楽しそうだな。
みんな、わくわくしてるんだよね。
そしてこんな生徒会に全校生徒が期待してるんだよね、きっと。
「おまえは何かやりたいことあるか?」
いきなり宮川が聞いた。
「えっ、私は特に……」
「おまえはどうしたい」
もう一度まっすぐ見つめられて聞かれた。
「……私は先輩と一緒にいられればいい」
「いられればいいじゃなくて、いたいと言いなさい」
「もぅ~、いたい!」
ちょっと声が大きくなっちゃって、ガサガサとそれぞれのことをしていた4人にまで聞こえてしまった。
「えっ、アリス、どこか痛いの?」
川上が聞いた。
「痛いんじゃなくて、一緒にいたいの!」
「えっ?!」
ぎゃ~~~~~、これは言いなおさなくてよかったのね……。
「やぁだ、アリスったら。欲求不満なんじゃない。旦那もあんまりじらさないほうがいいよぉ」
山内が冷やかして言った。
なんでそうなっちゃうのよぉ。
「そうだよなぁ。しかしじらされてるのはこっちなんだけど」
そこでぬけぬけとそういうことを言わないでよ、先輩!!
ひとしきり大笑いした皆はそれぞれの作業をして、解散した。
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翌日配られたアンケートは3日後には生徒会室に集められていた。
ものすごい数。
みんなそれだけ期待してるってことだよねぇ。
「では、アンケートの集計ですけど、やっばりペアで何かしたいっていうのが一番多かったですよ。それから宝探し。あとは鬼ごっこぉ? あとミスコンとか、カラオケ大会なんていうのもありますよ」
川上が集計結果を発表した。




