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ありす☆らぶ  作者: 湖森姫綺
49/156

no.49

「おいっ、ちょっと!」

 ひぇっ!


「なんでおまえ、包丁なんか持ってんだよ」

 な、なんだそれか……。


「たまねぎ切らなくちゃ……」

「貸せ! おまえは包丁なんて持つな。そっちのたまねぎの皮でも剥いてろっ!」


 タンタンタンッ。

 やっぱり宮川は包丁さばきがうまい。

 なんでもこなすんだなぁ。


「なに、大騒ぎしてたのかは知らねーけどよー。気にすんな」

「えっ?」


「どうせ、由美にからかわれたんだろ」

 ご名答!

「う、うん」


 でも私がヘンなこと口走っちゃったから、私だけの問題ではないような……でもまぁいいか。

 結局カレーの材料はみんな宮川が刻んでくれた。


「ったく、あいつら何してんだよ!」

 と、包丁を置いたところに4人が戻ってきた。


 私は川上と山内の顔を睨んだ。

「話してない、話してない」

 山内が笑いを堪えて言った。


「私も言えない」

 川上もそっぽ向いて笑いを堪えてる。


「こら、どうでもいいけど材料切り終わったぞ。さっさと料理しろ」

「えっ、基樹がやったの?」

 高田が言った。


「そうだよ。おまえらさぼんなよっ。それからこいつに包丁なんか持たせんな!」

「きゃぁ、お料理までやってあげちゃうのぉ~」

 山内が冷やかした。


「こいつは料理が苦手なの!」

 みんなの視線が私に集中。


「ほ、ほんと?」

 川上が目を丸くしている。


「怪我なんかしたら死ぬ大騒ぎなんだから、こいつに危ねーことさせんなよ」


 ぎゃはははっ。

 わははっ。


「そうだよね。前みたいに大騒ぎになっちゃうよね」

 大里が笑いながら言った。

 もぅ、皆でからかう……。


「さぼったんだから、あとはおまえらでやれよ」

「はいはい、お二人はゆっくり休んでてくださいよっ」

 高田が言った。


「ほら、いくぞ」

 宮川に頭を抱えられて、私達はそこを離れた。


 ふーっ、やっと笑いの渦から抜け出せた。

 二人で川岸に座る。

 水辺はやっぱり涼しい。

 火照った体に気持ちいい。



 ******



 食事ができて、みんなでワイワイ食べた。

「外で食べるのって楽しいね」


「ああ、ほら、ご飯粒、ついてる」

 えっ?


 口の横に触れられた。

 カーッ。


 の、飲み物……。

 慌てて水を飲んで……。


「ほら、こぼれてる」

 えっ。


 宮川は自分のTシャツの裾で私の口元をごしごしっとやった。

 な、なんか視線が……と見れば4人がじーっと見てる。


 スプーンをくわえていた山内が言った。

「いいなぁ、あーゆーの。私もして、俊平」


「ばか、おまえはもう子供じゃないの」

「え~ん、やってぇ」


 ぷっ。

「なんだか分かる気がする。わ、わかる気が、す……きゃははははっ」

 川上が笑い出した。


「ほ、ほんとね。これじゃ、ねぇ~」

 山内も笑い出した。


 な、なんなのよぉ~。


「かわいくて、かわい過ぎちゃって、手も出せやしないわぁ~。ねぇ、川上さん」

「ほ、ほんと。この二人ならそれで大丈夫なのよ。練習……」

「きゃ~~~っ、先輩言っちゃダメ!!」


 もうキャンプなんて来るんじゃなかった。

 帰るまでもつかなぁ。


 それから皆でおしゃべりしたり、ゲームしたりして、すっかり夜も更けてしまった。


「おっ、そうだ。風呂入ってこようぜ。露天風呂」

 高田が思い出したように言った。


「えっ、なにそれ。俊平」

「管理棟の向こうに温泉あってよ。その温泉旅館がおじさんちなんだ。風呂自由に入っていいって言われてたんだよな」


「素敵じゃない。行きましょうよ」

 川上も嬉しそうに言った。

 みんなで早速お風呂の用意してぞろぞろ。


「こんな時間だしよ、多分もう誰も入ってねーからゆっくりできるぞ」

 楽しみぃ。

 温泉、露天風呂!


 ところが……。

 えっ、お風呂ひとつしかないよ……。


「女達はそっちに脱衣所あるからさっ、そっちで脱いでこいよ。俺ら、先、入ってるわ」

 高田が平然と言った。


「えっ、てことは混浴なの?」

 川上が声を上げた。

「そーだよ」


 きゃ~~~~~、一緒に入るのってやだぁ。

 と焦っているのに、既に脱ぎ始めている高田。

 うわぁ~~~っと慌てて私達は脱衣所に入ってしまった。


「な、なに。もぅ、混浴なんて!」

 川上が息を切らせて言った。


「い~んじゃなぁい。どうせみんなペアなんだし」

 山内はさっさと脱ぎ始めた。


 この人って恥ずかしくないのかなぁ。

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