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ありす☆らぶ  作者: 湖森姫綺
48/156

no.48

 ******



 皆それぞれ一休みすると夕食の用意をすることになった。

 共同炊事場に持ってきた材料を運んだ。


「今日はキャンプ定番のカレーです」

 川上が言ってジャガイモの皮をむき始めた。

 スッスッと皮を剥く手つきを見て、さすがだなぁと思う。


「あっ、アリスはにんじんの皮、剥いて。そこに皮引き入ってるから」


 あははっ、びっくりした。 

 皮引きで剥くなら私にもできそう。

 しゅ~っ、しゅ~っとゆっくりゆっくり。


「ねぇ、川上さん。大里くんとはいくとこまでいった?」

「また、そんなこと……」


「だって今夜は二人きりよ。もういくとこまでいっちゃってるんでしょ?」

 会話する二人の真中で私はにんじんの皮むきに集中していた。


「私達はまだそんなんじゃないの。由美さんたちとは違うんだから」


「え~っ、でも好きだから付き合ってるんでしょ。好きあってたら当然愛し合いたいじゃない。それが当たり前でしょ。今夜あたり、どう?」


 な、なんかすごい会話だなぁ……。


「アリスの前でやめなさいよ」

「あらぁ、アリスもこういう会話OKなのよね?」


 OKじゃないけど……。

「だってテント3つでいいって宮川くん、言ったもの。当然もういくとこまでいっちゃったんでしょ?」


 きゃ~~~~~っ、その手の話題はやだぁ~~~。

 手が動かなくなっちゃって固まった私を覗きこむ川上。


「ほら、固まっちゃったじゃない。アリスはまだお子様なんだからそういう話題はなしよ」


「えーっ、だって宮川君いいって言ったわよ。いっつも一緒にいて求め合わないなんて信じられない。宮川君、どうして我慢できるの。男なのよ、男!」


 や、やめてよぉ~~~。

「由美さんっ!」

 

 川上が怖い顔をして言った。

 し~ん。


「……ちょっとアリス交代して」


 いきなり言われてそちらを見ると山内が涙ぼろぼろ流して見つめてる。

 な、なに?


「このたまねぎ、めちゃくちゃ目にしみるのよ、私がそっちやる」

 手に持っていたにんじんと皮引きを取られた。


 仕方ない。

 包丁は嫌だけど、やるしかないもんね。


「ところでさ、本当にまだなの? アリス」

「もぅ、由美さんってしつこい」

 既に諦めたのか笑いながら川上が言った。


「でも川上さんも気になるでしょ。宮川君とアリスの進行……」

「まっ、まぁねぇ~。うまくいっててもらわないと困るし」


「そうよ。学校中で見守られちゃってさ。あんまり拒でると破局が来ちゃうぞ。ねっ、川上さんもそう思うでしょ。川上さんだってBまでいってるわけだし」


 うっ、うっそ……。

 思わず川上の顔を見てしまった。


 真っ赤になってるけど、ホントなの?

「そうよ。求められればそういうことになるでしょ」


 きゃ~~~、なんでなんでぇ。


「で、どうなの? アリス?」

「えっ、あの……その……」


「キスぐらいもう許してあげたんでしょ? ね、ね」

「や~~~っ、だからそれは練習中でぇ~~~~~」


 し~ん……。

 えっ、まずいこと言っちゃった……。


「ぎゃ~~~~~っ、練習中ってなによ、それなによぉ~~~」

 山内がにんじんと皮引きを放り出して大笑いした。


「あ、アリス……、や、やだっ」

 川上までお腹を抱えて笑ってる。


「だっ、だって……」

 だって苦しくなっちゃうんだも~~~~~んっ!!


「よっ、楽しそうだな」

 ひょこっと顔を出したのは宮川だった。


 ぎゃ~~~~~っ、だから後ろからいきなり顔、出さないでぇ~~~~~。


「ほら、先生が来たよぉ」

 山内が宮川を指して大笑いを続けてる。


「なに、そんなに笑ってるの。こっち薪割り終わったよ」

 そう言って続いて山内の横にやってきたのは高田だった。

 大里もやってきて、その大里の肩に顔を当てて、必死で笑いを堪える川上。


「だって、だって、練習中って……」

「や、やめて、由美さん。もうお腹痛いっ」

 一体どうしたのって顔の男子陣。


「アリスってばアリスってば、キ……」

「ぎゃ~~~~~っ、先輩、言っちゃだめ~~~~~」

 い、言わないで!!


「わ、わかった。言わないよぉ~っ。でもお腹痛いよぉ~」

「ほら、由美。ちょっとあっちでおさまるまで休もう」

 そう言って高田と山内は行ってしまう。


「わ、私もちょっと休みたい……ぷっ」

 川上はにじんだ涙を拭きながら大里と行ってしまった。


「一体なんの騒ぎ?」

「な、なんでもないの、なんでもない!」

 私は慌てて言って流しのほうを向いた。

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