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ありす☆らぶ  作者: 湖森姫綺
143/156

no.143

 そして気がつくと……ベッドの中だった。

 なんかムカムカする。

 頭痛い……。


「気がついたか、アリス。気分はどうだ」

 ベッドの横で基樹が聞いた。


「あ~、うん。なんか最悪……」

「ほら、これ飲めよ」


 上半身を起こしてもらって渡された薬を飲む。

 ヘンな味……。


 で、なんの薬?

 基樹の手にあった薬の箱を取ってみると。

 飲みすぎ。

 二日酔いだぁ~!!


「な、なに、これ?」

「おまえ、覚えてないの?」


「なにを?」

「なにをじゃねーよ。散々騒ぎやがって」


「なんで? 私……」


 あれ、えっと……。

 必死で思い出そうとする。


 沙耶とコーションに行って、基樹が怖いお兄さんになってて、沙耶も怖い人になってて、で……。


「あ、茜がいた!」

「もう二度と顔も見せねーよ。おまえの恐ろしさを知っただろうし」


「なんで私の恐ろしさなのよ」

「ホントに覚えてねーの?」


 だから、茜がいて……基樹が怖いこと言ってたような……あれ?

 その辺から記憶がない。

 まったくない。

 全然覚えてない!!


 血の気が引いた。


「茜が来た後のこと覚えてない。ぜんっぜん!」

「うそだろっ、おい」


「頭……痛い……」

「もういいから、寝てろ!」


 何かしたのかな、私……。

 ちょっと自分で恐ろしくなったりして。

 何かすごいことしたような気がするのはするんだけれど、思い出せなかった。


「ところでアリス。おまえ、大道寺の奴んとこで何もなかったんだろーな」

「へっ?」


「へ、じゃねーよ。男一人んとこに泊まる奴あるかよ」

 あ、そのことか……。


「何かあったのか、おい!」

「べ、別に何もないよ。先生の友達も泊まったし、先生は徹夜でアトリエ入ってたし。私は疲れて寝てた」


「ホントだな」

「ほんとだってば! いちちっ、頭に響く」


「よし、もう二度と外泊なんかすんなよ。男のとこなんかっ」

 基樹は前髪を掻き上げてそっぽ向いた。


「先生は……」

「あいつも男だ!」


「わ、わかったよ」

「アリスは俺のもんだ。誰にも渡さない」


「だ、だからわかったってば」

「アリスは……アリス……」


 えっ?

 いきなりキス?


 ことの成り行きにまだ頭の回転が着いていきませんよぉ。

 抱きしめられる。

 なんなの?


「どこにも行くな……」

「は、はい」


 あ、あの、早くどいて欲しい。

 き、気持ち悪い……。

 ムカムカが段々上に……。


 う゛~~~~~っ。


 基樹を突き飛ばして走り出す。

 トイレに飛び込んだ。


 うげ~っ。

 き、気持ち悪い。


 頭、痛っい~~~っ。

 なんで私、こんなに苦しいのぉ~~~っ。


「アリス、大丈夫か、おい!」

「基樹君、どうしたの? アリス、一体どうしちゃったの?」


 ママの声がした。


「い、いや、あの、なんでも……」


 なんでもなくないよぉ~~~。

 サイッアク!!


 この日、一日、気分悪くてげっそりして寝ていた私だった。



 ******



 夕方になって沙耶が来てくれた。


「アリス、大丈夫? これ、買ってきてみたんだけど、飲むと少しすっきりするかも」

「なに?」


 ドリンクのビンを受け取って……二日酔いに……ってまた?


「二日酔いって私、昨日、一体何飲んだの?」

「ロック……」


「ロック? お、お酒じゃないよ、それ!」

「だから二日酔いなんじゃない。やだ、なにも覚えてないの?」


「覚えてねーんだと。信じらんねーだろ」


 沙耶の顔から血の気が引いた。

 一体私、何してきたのかしら。

 自分で自分が怖い。


「まっ、二度と飲まないことね。あそこにも行かないほうがいいわ。みんな、怖がるし」

「だろうな」


 ちょっとあそこにいた人達って皆、怖いお兄さん達だったじゃない。

 なんで怖がられなくちゃならないのよ。


 もう、考えるのよそう。

 沙耶がマジで恐ろしげな顔してる。

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