マコトスタイル 1-1
どうも鬼無里です。
言い訳をさせてください、予約投稿の期日を間違えました。
はい、すいません。次話は明後日ぐらいに出します。そっから、毎週更新ですかね。がんばります。
ひどく最悪な気分であった。
左腕は骨折している。とても痛い。
頭はズキズキして血が流れている。
軽く口を切っていて、鉄臭い血の味がした。
眩暈がして足元が覚束ない。
生臭い匂いに吐き気がして、顔を顰める。
電車が通り、家が建ち、ビルが並ぶ。
――そんないつも通りの街並みは瓦礫に埋もれた。
「ああ、本当にクソッタレだよ」
悪態を呑み込んで、目の前を見据える。
そこには巨大な肉塊の化物が聳え立つ。
厳つい目と鋭い犬歯が特徴なマヌケ面を晒す、灰色の体躯を持つ巨人がそこにはいる。
巨人は片手に棍棒、片手に先ほど飛びだしていった頭の潰れた男性をぶら提げていた。
僕はその巨人に向かって中指を立てて叫んだ。
「死ね、畜生が!!」
幻想なんて滅んじまえ。
1-1
――狩名真菜について少しだけ話をしておこう。僕こと宇祖月誠と狩名真菜の関係を簡潔にいうと恋人である。シンプルに何のひねりも含みもない表現だがこれ以上に表せれる言葉は無い。彼女は僕の恋人である。
彼女のプロフィールを僕が知る限りで述べておくと、彼女は僕と同じ高校に通っており、僕の一つ年下であり、クラスは二年四組で出席番号は十五か十六番で、アルバイトしながらアパートで一人暮らし。友達は少なく学校では孤立しており、背は僕より目線が少し低いくらいで血液型はAB。地毛が茶色で腰まで伸びた長髪を後ろで纏めている。両利き。運動神経はかなりよく、勉強では数学以外はできない。理系。趣味はコスプレ、裁縫、写真に写生と様々。食べ物に好き嫌いはなく、女子にしては可愛い物が好きとか光物が好きとか、そういった感性は持ち合わせていない。それ故に、アパートの彼女の部屋は物が少なくがらんとしている。性格は冷静で冷酷。激情を表に出すことは少ない。ただし、約束には非常に厳格で、待ち合わせに一秒でも遅れてこようものならば恐ろしいお仕置きが待っている。だからといって神経質でも繊細でもない。神経質というよりは厳密であり、真面目というよりは誠実である。
そんな彼女との出会いや付き合うきっかけや告白シーンなどを書いていると文庫本二冊近くまで膨れ上がるため、とても残念ながらここでは割愛させてもらう。ただ、惚気話となってしまうがあえて彼女の魅力を伝えるために語っておこうと思う。最初のデートの前日の事。僕が彼女の部屋でPCを使ってアニメを一緒に見ていたとき、「ネコミミって可愛いよな~」って呟いた次の日のデート。駅前で三十分前から待っていた彼女がネコミミカチューシャ(手作り)を付けていた。思わず可愛くてニヤけてしまった。
容姿からすると美しいが似合う彼女だが、行動がどことなく可愛く愛らしく、何よりも愛おしい。
僕は彼女を愛している。
そこには一切の虚偽妄想はない。
これは本音の事実なのだ。
だからもし、彼女が危機に直面し困難に立たされ窮地に追い込まれているのならば、僕は必ず助けに下ろう。彼女が死ななければならないのならば僕が代わりにとして死んでやる。罪を犯したならば僕が代わりとしてならば僕が許し、受け入れよう。償いだってしてやる。悲しみも苦しみも全て僕が背負ってやる。
それは僕が僕自身に課した義務である。
恋人故に彼女を受け入れる。
恋人故に彼女を救う。
恋人故に愛するのだ。
――たとえ世界が変わろうとも。
なんてね。ああ、因みに彼女の胸の大きさはAである。そこも可愛いと思う。