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ある登山者の話

作者: 吉成 けい

 コンコン。


 私は扉をノックした。漏れ聞こえる人々の声から察するに、お堂の中で何か集会のようなものが行われていたようだった。その邪魔になるのは嫌だったけど、完全に迷子になってしまったので道を聞かざるをえなかった。そもそもどうしてこんな夜中に山の中を歩いていたかは聞かないで欲しい。お寺の明かりが見えた時はどれほど安心したものか。


 コンコン。


 私は再度ノックした。すると一人の僧から返事があった。


 「どちら様でしょうか?」


 「私、迷子になってしまって。もし迷惑でなければ道を教えていただきたいのですが」


 「いいですよ、入りなさい」


 一息ついて私は扉を開いた。途端に激しい風が中から吹き出し私は思わず目をつむった。そしてその目を開いた時には先ほどまでの賑やかな話し声は消え去り、明かりも全て消えていた。目の前には古びた小さな祠が一つポツンとその忌々しい存在感だけを放っていた。


 そこでどうやら私は気を失ったらしい。翌朝道端で倒れていた私は他の登山者に起こされ既に下山していることが判明した。それ以来夜の山には入らないようにしている。

夜道は危険ですので、登山に慣れてない場合や装備が十分でない場合は日没までに山をおりて下さいね。


読んでいただきありがとうございます。

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