計画実行
朝、学校につくとなんだか女子たちががやがやしていた。
「…ん?」
「おっ、楠木おはよー。」
「ん?あ。あぁ?…おはよう。ところでこの女子の騒ぎようはなんなの?」
「うっわ、お前情報遅いな相変わらず。」
「うるせぇよ。じゃあ笠木は知ってんのか?」
「ふふん、当然だ!今日はどうやら転校生(イケメン)(かっこいけめんかっことじ)がやってくるらしいぞ☆」
「へぇーイケメンかぁ。俺たちをいじめたいのか現実は。」
「まったくもってそのとおりだな楠木 亮よ。」
そんなこんなしているとドアがガラガラと開いた。
「えー、いきなりだが、今日は転校生を紹介する。入っていいぞ。」
そして一人入ってくると女子の歓声が聞こえた。
しかしその後にもう一人入ってきた。
女子の歓声は二度聞こえたわけだが。
「軽く自己紹介してくれ。」
「はじめまして。朝原 蓮です。よろしく。」
「…あ、…ん゛っん゛、はじめまして、浪川 憂です。よろしく。」
(…確かにイケメンだな。妬ましい。)
ホームルームが終わり、指定された席につくと女子達がそこに群がっていった。
転校生なので、女子だけでなく、男子も群がっていたが。
「どこからきたのー?!」「外国だ。」「えー!帰国子女?!すっごーい!しゃべれるの?!」「ま…まぁ、喋れるケド。」「えーしゃべってみてよ~!」
「悪い。俺は憂と前同じ学校で友人なんだけど、人と話すのが苦手だからあんまり責めたてないであげてな。」
「…オイ、蓮。オレは別に人見知りじゃねェ。勝手に新たなオプションつけんな。」
「別に人見知りとは言ってないが?」
「テメェ…ぶん殴るぞ。」
『仲いいのね~!』
『良くねェ!!』
「向こうずいぶんと盛り上がってるねェ…」
笠木は遠い目で呟いた。
俺も遠い目で向こうをみていると、ふと浪川ってヤツと目があった。
目があった瞬間浪はニヤリと口角をあげた様に見えたが、
すぐに女子の群れによって隠れてしまった。
――――――――
放課後、例の場所へ向かうと
そこには女子ではなく、転校生二人組が居た――――――――
(蓮、バレてないっぽいな!)
(小声でも言うなって言ってるだろう。しかも今は注目されてるんだぞ?)
(わりぃわりぃ、ところでこのあとどうすればいいんだ?)
「何ぼそぼそ話してるの~?」「あたしたちにも聞かせてよ~」
「わりぃ、女子の皆が可愛かったもんだからどうしようか相談してた。」
((はぁ…憂様はなんだか間違った対応してますし…。それじゃあ男子に嫌われてしまうでしょうに…。))
「きゃぁああ」
「あ、ちょっと席外す。蓮、行くぞ。」
「…トイレ?」
「はァ…あ。そうそう、トイレだよトイレ。」
そして前の席の机の中に手紙を突っ込んだ。
ターゲット、楠木の机の中に。