プロローグ
直しが間に合っていませんので、若干荒い文章はご容赦ください。2012年5月作の小説です。
夕暮れの公園。
滑り台を飽きる様子も無く、繰り返し、繰り返し滑り降りる二人の子供がいた。
赤く焼けた空が端から濁りを見せる。
徐々に薄暗くなって来た辺りの様子にも気がつく事無く、子供達は遊び続けていた。
ベンチに座って微笑みながらそれを見ていた白髪の老婦人。彼女は何時間そうしていただろうか。
しかし、公園になんら違和感を与えない子供と老人と言う光景に、それを気にかける人はいなかっただろう。
日は沈み、公園が完全に深青緑に包まれた頃、子供達はようやく暗くなった空に気が付いた。
寂しそうな表情をする二人。駆け足で公園の出口へ向かった。
「僕たち……仲が良いわね」
二人は話しかけてきたお婆さんの前で立ち止まり、見上げた。彼女は身なりも良く、優しい目をしていた。
「うん!」
背の低い方の子供が元気良く返事をする。もう一人の子は暗くなった公園を不安げな顔で見回しながら、返事をした子の袖を引っ張る。
「かずみくん、はやく帰らないと……」
そんな二人の前でお婆さんはポケットから何かを取り出し、それを手のひらに乗せると子供達の前に差し出した。
「二人がずっと仲の良いままでいられるように……、これはプレゼントだよ」
「飴だぁ」
それは、虹色のフィルムで包まれたキャンディだった。