第0.6話 死すら予想外
どうも、はじめまして!
このお話は、初めてつくる物語ですが長編にする予定です。隙間時間なんかに読んでみてください。
初投稿で不慣れな点も多いと思いますが読んでくれると幸いです。
時はお盆の真っ只中、蝉の鳴き声が夏を思い出させる。小学生や幼稚園児なんかの笑い声やはしゃぐ声が聞こえる。
どこか懐かしくて少しだけ清々しい朝だった。
…にしてもセミがうるさいな。目覚まし時計が鳴る前に起きてしまった。とは言ったも設定した時間は10時半。起きるのも当然である。
カーテンの隙間から差し込む日差しに目を細め、庭の木々は朝下がりの光を受けて青く輝いていた。
「そうだ!今、実家に帰省してるんだった。」
今日は親戚たちが集まってわいわいと食事をする日だ。正直言ってだるい。年の近い相手はもういないし、弟は来ないし、特別楽しい何かがあるわけでもない。
しかも、親戚はとても厳しい性格だった覚えがある。
「はぁー」
などとため息をつきベットから起き上がる。
母さんからお盆だからといって、有給をほぼ強制的に取らされて帰ってきたら。俺だけ渋々、参加するハメになった。俺は昔から誰かの表情をうかがってしまう性格だ。だから他人の意見をどうしても優先してしまう。不自由な人生の中にある典型的な1日だった。
「厳しいって…」
時は刻一刻と過ぎていき夕方になった頃、
親戚の人々がドスドスと家に入ってきた。そしてみんな集まったところで宴会的なものが始まった。
俺は目の前の料理を無作為に口の中に詰め込む。
みんな笑いながら談笑している。
すると一人、俺に話しかけてきた。
「まぁ久しぶりだけど…大きくなったもんだねぇ」
声をかけてきたのは母方の親戚だ。歳を重ねた顔に深い皺が刻まれている。昔はそれなりにかかわりがあったが、一人暮らしになってからはほとんど会うこともなくなった。
「そうですねぇー」
とりあえず笑っておく、ぎこちないと言うことは言われなくてもわかっている。
そして、母は何か思い出したかのように話しだした。
「そういえば、お隣さんの二条さん引っ越すらしいわよ」
俺は飲みかけていたお茶を一瞬とめる。
おそらく俺と近い年だった娘がいたため思い出したのだろう。その娘もいれば、立派に大きくなっているだろうからな。
「そうなんだな。さびしくなるなぁ」
と誰かが言った。
そんなこんなで、おじさん、おばさんたちの雑談や世間話が続いていた。そして席を外すタイミングを見失った。しばらく、どうしようか考えていた。
そんなときにポケットのなかでスマホが震えた。
友達からのメッセージだ
内容は翌日のツーリングの予定についてだった。
正直、救世主に見えた。
俺はそれを理由に軽く説明し席を外したのだった。
俺は数日後、友達とツーリングに行く予定だ。
…なになに? 友達いるんだってか?
もちろん友達ぐらいいるさ。
行き先は箱根を経由して熱海や伊豆に行く予定だ。
なかなかアウトドアな漢なのである。
そして、友達とはこんな会話をしていた。
「高速渋滞してないといいな」
「夏の渋滞とかマッジで暑い」
計画の予定を立てるなんて言うのは、もっぱらの嘘だ。
ただの雑談である。
俺はどうでもいいようなよくないような話をし後、次の日に備えて早く寝たのである。
ツーリング当日、セミもまだないでおらず、とても静かで穏やかだ。
目覚ましが鳴る前に起きた。
多分楽しみなんだと思う。
朝のルーティーンを済ませ、ジャケットを羽織って、ヘルメットと鍵を手に取る。
外に出てガレージでエンジンをかける。
低い音が鳴り響く。
「うるさいって怒られないかな?」
一応、少しだけ気にしておくとする。
俺はバイクにまたがり家を後にするのだった。
家を抜ける時ふと視界に入った
隣の家。
墓地。
小さな花や子供用のお菓子が添えられていた。
俺はそれ以上目を向けないようにして、
ギアを上げスロットルを回していく。
まずはみんなで箱根に集合する予定だ。
風をきりながら西へ向かう。
そして高速にのりスピードを上げていく。
高速は渋滞することもなくあっという間だった。
「御盆だって言うのにがらがらだな」
今日は猛暑が予報されているから、
空いているのも何となくわかる。
高速を抜け峠道に入った頃だった。
大型に乗ったおっさんたちが車体を傾け膝スレスレでコーナーを曲がっていくのを目撃する。
俺は何故かそれに負けじと
「ヤエー」と言って対抗する。
調子に乗っていたのは間違いない。
いつもこの程度問題ないと思っていた。
しかしハプニングとはいつも予想していないときに起こるものである。
それはヘアピンに差し掛かったときである。
大型トラックのような車が車線をまたいでこっちに迫ってくる。
「おい、ちょ…狭いとこ走んなよ!」
と言いたかったがそんな事言い切れるはずもなく
俺はガードレールへと流されていった。
衝突とは言えない感覚だった。
音が、遠のく。
体が、浮いた。
周りの景色が一瞬にしてスローで再生される。
そして、俺は地面に打ち付けられるのだった。
それからだいぶ時間が経ったと思う。
不思議と恐怖と痛みは全く感じなかった。
風が体を通り抜けていく。
恐る恐る、目を開けると一面に青い景色が広がっていた。
「…きれいだな、」
しかし意識は長くは続かず、
音や視界もだんだんと溶けていくようで
俺は抗うことなくそれを受入れた。
それが人生最後の眺めであり記憶であった。
暗い雰囲気から始まりましたがどうでしたか?しつこい描写もありましたが、少しずつ書けていけたらいいなと思います。
是非、次話も読んでみてください。




