EX-2 / Episode 1/3 新参魔王
まだ、異世界の設定に慣れていません。
変なところがたくさんあるかもしれません…
1/3 ―魔王―
魔王は遠くから戦況を伺っていた。
足を組み、玉座に座り、片手でワインをあおりながら、もう片手を顔に当てている。
その姿は魔王にふさわしく、格好から考えるに何か悩んでいる様子だった。
しかし、その視線は眼下の軍勢ではなく、さらに遠く――この世界を見透かすような瞳だった。
彼の名は"レグリス=バルザーク"その名を聞けば誰もが恐れ、青ざめる、
――魔王である。
そして魔王バルサークが座る玉座の右手に控えているのが"魔王秘書ルルシア=グラディウス"である。
2/3 ―余興―
ルルシア : 「レグリス様……人間どもが約40万の兵を動かし進軍してきています。どうなさいますか?」
レグリス : 「そうだな……我が領土に足を踏み入れるつもりなら、答えは明白…全滅してもらうまでだ。」
ルルシア : 「承知しました。このまま進むと領土に到達するのは約20分後になるでしょう。」
窓を見下ろすと完全武装を装着した人間の騎士たちが地平線を埋め尽くしていた。
中にはオーラがとても強烈な者も数名、おそらく勇者と呼ばれる存在だろう。
オーラを確認するに竜の系統が見当たらなかったことは幸いだ。
無論、竜の系統はSランクオーバーであるため未知数である。故に魔王であろうと勇者であろうと容易く扱える存在ではない。
そう――だからこそ、この世界は面白い。
これは、私が魔王になる前の話だ。対魔王討伐会議の際――
勇者が竜を飼い慣らそうとしていたのを小耳に挟んだことがある。
しかし、結果は明白、勇者も街も見るも無残な姿へ朽ち果てていたのだ。
今でも人間の傲慢さには呆れを通り越して笑えてしまう。
――おっと、そろそろだな。
レグリス : 「魔物の兵を集めよ。大きな戦争が始まるぞ」
ルルシア : 「承知…。」
そう言うと魔王は立ち上がり、人間たちを見下ろしながら一人、冷たい微笑を浮かべていた――。
レグリス : 「ックックック…楽しくなりそうな予感がするな……。」
そう言うと――
魔王は再び、グラスにワインを注ぎ始めた。
3/3 ―戦いの火蓋―
10分ほどで30万の魔物の招集が完了した。
私は集まるなりすぐに、行動を開始した。
「偉大なる魔物たちよ、愚かな人間どもが進軍を始めた。貴様らがもつ魔物の力は邪悪なる人間どもを浄化するためにある。そうだろ!! 戦うものは声を上げろ!!」
魔物たち : 「ウオぉぉぉオオオ!!」
ものすごい声量が魔王の城の窓ガラスを揺らす。
ルルシア : 「これより貴様らは魔王レグリス様のスキルにより強化される。ありがたく思え。」
そういい終わると何も言わずにレグリスが抑え込んでいた魔力を解放した。
強烈なオーラが周辺の魔物や距離を取っているはずの人間たちも容赦なく威圧し始めた。
騎士 : 「ック……この強烈なオーラは一体――」
魔力抵抗の低い下級騎士たちは一人、また一人と膝を折り、ついには隊列の一角が沈黙した。
――その数、約八千。
その間、魔王はメインのスキルを発動させる。
――世界が、静寂に包まれる…
レグリス : 「夢想超越」
そう唱えると、下にいる魔物たち全体に届く巨大な魔法陣が形成された。
魔物 : 「これが魔王の力か……、」
魔法陣から『希望光』が発生し、一人ひとりが持つ希望の強さに比例した力が魔物たちに宿っていった。
レグリス : 「これで貴様らは無敵だ!その力を持って何を成し遂げるかは貴様ら次第である。早速だが豚人及びゴブリンは出陣だ!それと、Bランク以上のものは一旦待機だ。」
豚人王 : 「レグリス様に頂いた力、存分に発揮して見せようぞ!!」
豚人たち : 「ウオぉぉぉオオオ!!」
ボアたちはたくましい歓声をあげて戦場に向かっていった。
魔法が終了するとレグリスは玉座に戻った。
レグリス : 「少々、張り切りすぎてしまったか」
そう言うとルルシアが回復魔法をかけた。
そして魔王はハーピーとの視覚共有によってボアたちの戦闘、ほかの騎士や勇者などの行動を監視し始めた。
大きな戦いが始まる――
次回もお楽しみください




