きらきらメガネ
冬の童話祭2026の応募作品です。
普段とは異なるテーマに挑戦してみました!
良ければ少し覗いていって下さると嬉しいです♪
ボクは、ふつうの小学4年生。
でも、ひとつだけ悩みがある。
友達と遊ぶとき、ほんとうはちがう遊びがしたくても言えない。
誰かに何かしてもらっても、照れくさくて黙っちゃうことが多い。
そんなある日。
友達と学校へ向かう朝、道ばたに不思議なメガネが落ちていた。
虹色のフレームに、どこか古びたレンズ。
「これなんだろう?」と友達に聞いたけど、
「え?何もないよ?」と言われてしまった。
どうやら、ボクにしか見えていないらしい。
おそるおそるメガネをかけて歩いていると、
横断歩道で見守りをしてくれるおじいちゃんとおばあちゃんが、今日も笑顔で挨拶をしていた。
ひとりのママさんが「いつもありがとうございます」と言った、その瞬間――
キラキラキラキラ。
「!?」
おじいちゃんもおばあちゃんも、そしてママさんまで、みんなが金色に光り出したんだ。
とくにママさんのキラキラはとても強かった。
このメガネ……すごい!
ボクはそのまま学校へ行った。
やっぱり誰にもメガネは見えないみたいだ。
休み時間、ボクはキラキラを探しに歩いてみることにした。
保健室では、ケガをした女の子が先生に「ありがとう」って言っていた。
すると、女の子がぶわっと金色に輝き、先生までキラキラに包まれた。
職員室の前では、先生に宿題を届けた子が、
「ありがとう、助かるわ」と言われていた。
その瞬間、先生からキラキラがあふれだし、二人とも光に包まれた。
しばらく見ているうちに気づいた。
ありがとうの場面では金色のキラキラが出る。
そして「言われる人」より、「言う人」のほうが強く光る。
さらにもうひとつ。
金色の中に、ときどきピンク色が混ざることがあった。
「好きな人がいるとピンクになるのかな?」
ボクはそう思って、好きな子がいる友達を見てみたけど……光っていなかった。
じゃあ、なんだろう?
そんなことを考えていた授業中、先生が言った。
「みんなは、自分のことが好きですか?」
ボクはびくっとした。
だって「はい」って言えなかったから。
クラスのみんなをメガネ越しに見ると、
ピンクと金色がまざってキラキラしている子が半分くらいいた。
もしかして……
みんながもじもじしていると、先生が続けた。
「照れくさいよね。でも先生は言えるよ。私は、私のことが大好きだ!」
その瞬間、先生から濃いピンク色と金色がまざったキラキラがあふれ出した。
(うわぁ……きれい……)
そうか。
この色は、自分のことが好きって思える人から出ているんだ。
その日からボクは、自分もキラキラを出したくて頑張ってみた。
ボクが落とした消しゴムを拾ってくれた隣の子に、思いきって言ってみた。
「ありがとう!」
隣の子はびっくりしたけど、すぐに笑って
「いいよ」と答えてくれた。
その瞬間、胸の奥があたたかくなった。
別の日、友達に「ドッジボールしよう!」と言われたけど、
ボクは苦手だったから「見てるよ」と言ってみた。
すると友達は、
「じゃあさ、あとで君の好きな遊びもしようよ。」と言ってくれた。
それがとてもうれしかった。
休みの日、ママとパパと手をつないで歩いた。
もう4年生だから少し恥ずかしかったけど、
ふたりの手はあたたかくて、
ボクのことを大切に思ってくれてるのが伝わった。
今のボクは、前のボクより、自分のことが好きだ。
いつのまにかメガネは外れて、道ばたに落ちていた。
レンズ越しに映った
男の子の身体からはーー
たくさんのキラキラがあふれていた。
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