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きらきらメガネ

作者: 緑玉
掲載日:2025/12/12

冬の童話祭2026の応募作品です。

普段とは異なるテーマに挑戦してみました!

良ければ少し覗いていって下さると嬉しいです♪

ボクは、ふつうの小学4年生。

でも、ひとつだけ悩みがある。


友達と遊ぶとき、ほんとうはちがう遊びがしたくても言えない。

誰かに何かしてもらっても、照れくさくて黙っちゃうことが多い。


そんなある日。

友達と学校へ向かう朝、道ばたに不思議なメガネが落ちていた。


虹色のフレームに、どこか古びたレンズ。

「これなんだろう?」と友達に聞いたけど、

「え?何もないよ?」と言われてしまった。


どうやら、ボクにしか見えていないらしい。


おそるおそるメガネをかけて歩いていると、

横断歩道で見守りをしてくれるおじいちゃんとおばあちゃんが、今日も笑顔で挨拶をしていた。


ひとりのママさんが「いつもありがとうございます」と言った、その瞬間――


キラキラキラキラ。


「!?」


おじいちゃんもおばあちゃんも、そしてママさんまで、みんなが金色に光り出したんだ。

とくにママさんのキラキラはとても強かった。


このメガネ……すごい!


ボクはそのまま学校へ行った。

やっぱり誰にもメガネは見えないみたいだ。


休み時間、ボクはキラキラを探しに歩いてみることにした。


保健室では、ケガをした女の子が先生に「ありがとう」って言っていた。

すると、女の子がぶわっと金色に輝き、先生までキラキラに包まれた。


職員室の前では、先生に宿題を届けた子が、

「ありがとう、助かるわ」と言われていた。

その瞬間、先生からキラキラがあふれだし、二人とも光に包まれた。


しばらく見ているうちに気づいた。


ありがとうの場面では金色のキラキラが出る。

そして「言われる人」より、「言う人」のほうが強く光る。


さらにもうひとつ。

金色の中に、ときどきピンク色が混ざることがあった。


「好きな人がいるとピンクになるのかな?」

ボクはそう思って、好きな子がいる友達を見てみたけど……光っていなかった。


じゃあ、なんだろう?


そんなことを考えていた授業中、先生が言った。


「みんなは、自分のことが好きですか?」


ボクはびくっとした。

だって「はい」って言えなかったから。


クラスのみんなをメガネ越しに見ると、

ピンクと金色がまざってキラキラしている子が半分くらいいた。


もしかして……


みんながもじもじしていると、先生が続けた。


「照れくさいよね。でも先生は言えるよ。私は、私のことが大好きだ!」


その瞬間、先生から濃いピンク色と金色がまざったキラキラがあふれ出した。


(うわぁ……きれい……)


そうか。

この色は、自分のことが好きって思える人から出ているんだ。


その日からボクは、自分もキラキラを出したくて頑張ってみた。


ボクが落とした消しゴムを拾ってくれた隣の子に、思いきって言ってみた。


「ありがとう!」


隣の子はびっくりしたけど、すぐに笑って

「いいよ」と答えてくれた。

その瞬間、胸の奥があたたかくなった。


別の日、友達に「ドッジボールしよう!」と言われたけど、

ボクは苦手だったから「見てるよ」と言ってみた。


すると友達は、

「じゃあさ、あとで君の好きな遊びもしようよ。」と言ってくれた。

それがとてもうれしかった。


休みの日、ママとパパと手をつないで歩いた。

もう4年生だから少し恥ずかしかったけど、

ふたりの手はあたたかくて、

ボクのことを大切に思ってくれてるのが伝わった。


今のボクは、前のボクより、自分のことが好きだ。


いつのまにかメガネは外れて、道ばたに落ちていた。


レンズ越しに映った

男の子の身体からはーー


たくさんのキラキラがあふれていた。



「面白かった」「子どもに読ませたい」「大人でも楽しめた」と思っていただけたら、ぜひ⭐️評価をお願いします!

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― 新着の感想 ―
 相手への感謝の気持ちや、自惚れか怪しい形での自分への好意に反応して様々なキラキラを見せるメガネですか。人だかりで使うと大変な事になりそうだけど、素敵ですね!  他のコに倣って、自分も親切に対してあ…
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