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転生したら俺様猫のつくも神がついてきました 『魔術学院編』  作者: にゃん之助
4章 結晶の欠片と王城からの呼び出し
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055 元気な島(1)




 リティ島は火属性の魔物が棲む島だ。1匹の火力は弱く集団で襲ってくるのがやっかいだと考えていた。


 しかし、強力な火魔法を使う魔物がいることが分かった。

『蛇型』だ。愛称を『ガラガラ』と名付けた。ギルドにはこの名称で登録してもらう。


 大樹の森にいる蛇型は魔法を使ったという確認はされていない。しかし、『ガラガラ』は、青白い高温の炎を打ってきた。しかも、1発目は音もしない気配もない状態で打ってきた。


 真色眼を発動していなかったら、瞬間自動神装結界が発動しただろう。


 あの青白い炎は一撃必殺(いちげきひっさつ)の炎だ。命中すれば、次を打つ必要がないほどの威力がある。あの、ガラガラとした音は、放電して炎を蓄積しておく為にしているのだろう。


「エル、緊急会議だ。かなり危険なやつがいた!」


 昼食のパンにかぶりつきながら、エルを()かした。




「緊急作戦会議です。隊長、報告をお願いします」


「A級相当の魔物がいた」


 ゴクリ! 生唾(なまつば)を飲む仲間達。


「蛇型だ。『ガラガラ』と名付けた。ギルドにはこの名で登録してもらう。つまり、新種だ」


 ゴクリ!


「青白い高温の炎を、尻尾(しっぽ)の先から打ってくる。イカヅチと同じぐらいのスピードと威力だ」


「まじか、とんでもねえ魔物じゃねえか」


 イグニスが真顔だ。


「1発目は気配も音もしなかった。一撃必殺の炎だ!」


 緊張が走る。


「作戦の練り直しが必要ですね」


「ああ、ジェイドの言う通りだ」


「グループはどうするの。組み直すの?」


 シンティだ。だいぶ不安になったようだ。無理もない。


「神装結界と認識阻害は有効だ。命の危険はない」


 安堵(あんど)のため息が聞こえる。


「ただ、認識阻害は解除すると効果がなくなる。つまり、一度認識されるとまたかけ直しても効果がないと言うことだ」


「それって、蛇型だけなの」


「サクラさん、爬虫類(はちゅうるい)型は全てと考えた方がいいです」


「やっかいだな」


「イグニス、どうする」


「リーウス、おまえの索敵(さくてき)の範囲は今どのぐらいだ」


「半径1キロメートルぐらいっす」


「十分だな。カナデおれらは予定通りでいい」


「だよな。大樹の森のB級とやり合えるんだ。ここのA級なら敵ではないよな」


「買いかぶるな! 結構必死だぞ」


 顔を見合わせてニヤリとした。


「瞬間自動神装結界は必ず発動する。命の危険はない。でも、油断するな!」


「ああ、任せろ!」


「あっ、それからおいらからも報告っす」


 リーウスがみんなを見回した。


「この島、元気がいいっす」


「……」


 何を言っているんだこいつは?


「魔物が逃げないっす。魔力草も切っても直ぐ生えてくるっす」


「私も感じていました。精霊の気配が強いです。というかそう、元気なんです」


 つまり、みんなやる気満々で襲ってくるって事ですね。


「言いたいことは理解した」


「ああ、おれもだ!」


「わたしも!」


 イグニスとサクラさんががっくりしている。


「疲れる探索になりそうね」


 シンティもうなだれている。


「つくも(猫)、蛇には注意だ。サクラさんをよろしく」


「蛇も蒲焼(かばや)きにすれば旨いかも知れないな」


 ああ、あの蛇の運命は決まってしまった。


 さっきまでの緊張感はなくなり、面倒くさいなーと言う雰囲気の方が強くなった。


 あんまり頑張らないで、適当に逃げて欲しいな。


 残念ながら、私のささやかな願いは無視されてしまった。




「どうなっている。切りがないぞ!」


 火虫だ。クワガタ型のやつが、(つの)をバチンと鳴らして火花を飛ばしてくる。


 顔の周りをユスリカ型が静電気を帯びたまま飛び回っている。バチバチとしている。かなりしつこい。


 元気なのにも程があるぞ! くそっ、しつこい!


 ソフィアも頑張って切っていたが早々と降参(こうさん)した。今は『白』の中にいる。


 神装結界も、この小さいのにはさすがに反応しない。毒でももっていれば発動するがこいつらは無毒だ。


 仕方ない。


「風の道」


 自分の周りに風の渦を作る。小さい奴らはみんな吹き飛ばされた。


「ふう、これで一段落か……」


 『白』の中に入り、ため息をつく。


「すみません。早々に逃げ出しました」


 ソフィアが申し訳なさそうに飲み物を持ってきた。


「気にするな、おれでもそうする」


 安心したようににっこりとする。


 さて、他のメンバーはどうしているかな? 気にはなるが、目的は欠片の探索だ。まだ、糸口も見えてこない。


 今回は、シンティとイグニスが鍵になりそうだ。『火属性』を持っているのはこの2人だ。ただ、根拠はマーレさんの『木属性』の事例だけなので期待はできない。


 参謀(さんぼう)に相談しよう。


「ジェイド、何か糸口はないか」


「ぼくもいろいろ考えてみたんですが、今までは、大規模な攻撃や大物を倒したときに欠片が見つかっていますよね」


 おお、確かに!


 (うなぎ)と毒性魔物の一掃だ。ということは、あいつかー、やだなー、関わりたくない。


 でも、それしかないか。蛇を探そう。


「仕方ない、蛇を探すか」


 ソフィアが嫌そーな顔をした。シンティもだ。何となくだが、『白』からも嫌そうな気配を感じた。





次話投稿は明日の7時10分になります

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