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転生したら俺様猫のつくも神がついてきました 『魔術学院編』  作者: にゃん之助
4章 結晶の欠片と王城からの呼び出し
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048 王都の自由市(1)




 プティ島の精霊結晶は、無事に10層に行ったのだろう。「預かっておいてね」というエスプリさんの言葉はちょっと気になる。


  捜索は1日で終わり、その夜はベニザクラ号完全宿泊型でゆっくりと休んだ。


 今朝(けさ)早くに隠れ家に戻ってきた。任務終了なので、仲間達はそれぞれ好きなことをして過ごせることになった。


 つくも(猫)とマーレたちは、王都に食材の買い物に行くようだ。米や味噌の情報を期待したい。


 サクラさんはペンテやテネリとお散歩だ。


 イグニスとソフィア、イディアは稽古(けいこ)をしている。


 私は、『騎士(ナイト)アーマー』作りのお手伝いをしようと思う。


「ディーラさん、どこまで進みましたか」


「順調だよ。この企画書が実によくできている。カナデ、君は技術者なのかい」


 基礎研究者です!


「研究職ではありますよ。でも、技術を専門に学んだ事はないですね」


「そうなのかい。まるで、完成形がはっきりイメージできているように感じたんだがね」


 当たりです。アニメですけど……!


「先の話なんですが、これ、量産できそうですか」


「ここにいる仲間の分ぐらいなら可能かな」


「素材は足りそうですか」


「装甲板になる(うろこ)は欲しいな」


「これ、内緒なんですが、つくも(猫)の異次元収納の中に、6メートル級があと数匹いるんです」


「何となく、そんな予感はしていたよ」


「ブラキオさんのところで処理してもらえると思いますか」


「君の身分を話せば可能だよ」


「なるほど、確かにそうですね。いきなり神獣様が現れても大丈夫ですか」


「ああ、そんなに繊細(せんさい)なやつじゃないよ」


「分かりました。様子をみて行ってみます。何か手伝える事はありますか」


「今はないな。でも、近いうちに必要になる」


 ディーラさんは、手を振り仕事に戻っていった。


 そう言えば、王都の洋服屋に行っていなかった。待っているだろうな。行ってみるか。ん、サクラさんて、その手の服あるのかな。おれと同じで、そういう所に気が回らないんだよな。


 まずは側近さんに聞いてみるか。


「シンティちょっといいか」


 エルとアーマー作りをしていたので呼んでみた。


「なに、今結構(けっこう)おもしろいところなのよ」


 これだよ、忙しいではなくおもしろいところか、でも、そういう考えは賛同だ。


「サクラさんて、王城に謁見(えっけん)に行くとき着ていく服とか持っているのか」


「あるわよ、ビオラ様が中型いっぱいにして渡してきたわよ」


 おお、そうだった。ビオラ様がいるんだ、抜かりはないか。


「わかった。じゃましたな」


 なによ? という顔で見送られた。すまん!


 さて、ならば1人で行ってくるか。ついでに、冒険者ギルドによって、プティ島の事も伝えておくとしよう。


 庭に出ると、イグニス達が稽古を終えて休んでいるところだった。散歩に行っていたサクラさんもいる。


「イグニス、これからギルドに行って、島の報告するけどなにか伝える事があるか」


「おう、そうか。なら丁度いい。おれも行くわ。駆除隊(くじょたい)の打合せをしたいと思っていたんだ」


「イグニス殿、私も付いていって構わないか、駆除隊に興味がある」  


「なら、みんなで行きましょう。マーレさんに王都の買い出しに連れて行って欲しいって頼まれていたの」


 うん、つくも(猫)の風の道は、きっと心臓に悪いんだろうな。


「決まりですね。シンティ達にも行くか聞いてみます」


 絶対に行かないと思うけど、一応ね!


 予想通り、振り向きもしないで手を振られた。




「風の道」


 ベニザクラ号が静かに浮かび上がった。


 商店街や平民の住居が建ち並ぶ区域へ続く道で通常型に戻る。そして、簡易認識阻害かんいにんしきそがいをかけたまま進んでいく。


 この簡易認識阻害は、サクラさんの髪の色を隠すのと同じで、ベニザクラ号は見えているが、特徴的な色や形は覚えていないという便利な機能だ。これで、問題なく町の中を走ることができる。


 つくも(猫)の物質付与型神力が進化することで、微妙な部分の調整ができるようになった。




「カナデ、ギルドの方はおれだけでいいぞ。おまえは服屋に行くんだろう」


「そうか、なら任せるぞ。精霊結晶の事はまだ秘密だぞ」


「言うわけないだろ。面倒事はごめんだ」


 だよね。おまえはおれと同じだよ。


「サクラさん達はどうする」


「今日は買い物よ。いろいろ揃えておきたい物もあるのよ」


 ジェイドも今回は買い物らしい。何か必要な物があるようだ。おまえはまだ子どもだ。本当ならもっと遊んでいていい年だぞ。と言ってもここは異世界か。


「わかった、帰りの時間はどうする」


「せっかくだから、お昼をみんなで食べましょう」


「いいですね。賛成です。わたし、いいお店を知っています」


 ソフィアが嬉しそうだ。お店は任せよう。


「12時にここに集合だな」


 冒険者ギルドの近くにある広場である。待ち合わせには都合がいい。


「それでは、解散です」


 サクラさんが、エルの真似をしている。みんなで笑いながら別れた。




 洋服店からだな。予約していないけど大丈夫だろうか?


 入り口には、きれいに剪定(せんてい)された植木が並んでいる。お店に入る前から気持ちがリラックスする。


「すみません。カナデですが、採寸(さいすん)に来ました。遅くなってすみません」


 あの時の店員が、笑顔で出迎えてくれた。


「今、職人を呼んできますから、その椅子に座ってお待ちください」


 高級そうな椅子を勧められ、座って待つことにした。


 やがて、支店長のヴィンスさんといっしょにメジャーのような物を持った男の人がやって来た。


「わざわざ足を運んでいただきありがとうございます」


 ヴィンスさんが深々と頭を下げた。


「遅くなってしまいすみませんでした。では、お願いします」


 職人さんが、いろいろな場所の寸法を測り、用紙に記入していく。そして、だんだんと、びっくりした表情になっていった。


「カナデ様、何か武術をしているのですか。体のバランスが完璧なんです」


 職人てすごいな。みんな分かるんだ。


「冒険者ですから、鍛えていますよ」


「そうなんですね。でも、このような方の服が作れるなんて職人冥利(みょうり)()きます」


 そう言って、にこにこしながら戻っていった。


「ヴィンスさん、いい職人さんですね」


「ええ、最高の技術を持った職人です。いい服をお作りしますよ」


「はい、おまかせします。それと、ディーラさんの紹介も助かりました。今、お世話になっています」


「気難しい方ですが、腕は確かです。お役に立てて光栄です」


 そのまま、お店を出る。注文内容はソフィアがしてくれたので、おれにはよく分からない。お店に丸投げだ。





次話投稿は明日の7時10分になります

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