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大納言伝説  作者: edinburgh0910


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ep.2  道中「栗林邸」

 マイホームが燃えてしまった後、私は土柄観(どえみ)とともに栗林の邸宅へと向かっていた。

栗林は誰だという話だが、私の友人にして、平安の都における有力貴族である。

(くらい)はなんと、大納言。

ふーむ、我が友人として相応(ふさわ)しいなぁ。

ちなみに、私は望災師(ぼうさいし)であるので、(くらい)などはあまり考えないで良い。


「土柄観よ、さすがに徒歩での移動は大変だな。車などはあるか?」


私が至極当然の質問を土柄観(どえみ)に投げかける。なんてったって、私の焼け落ちた邸宅から栗林のところまで、

10kmもあるのだ。遠すぎる!


「清原先生。何甘ったれたこと言ってるんですか!たった10km程度しか無いでしょう。

それに、本当に牛車に乗りたいんですか?あれの乗り心地はひどいんですよ。」


そんなに怒ることはないではないか。確かに、牛車の乗り心地が良いと言えないが......

そもそも、土柄観(どえみ)が私を担いで運んでくれればよいのだ!

土柄観(どえみ)は私よりも華奢(きゃしゃ)で、女性として小柄な部類で、年下にも関わらず、ときにとてつもない馬鹿力を発揮するのだ。私が家を燃やしてしまう前、彼女へゴキブリを使ってイタズラをしていたら、不覚にも彼女に殴られてしまい、全治一ヶ月の骨折を腕に負ってしまったのだ。


「誰が馬鹿力ですか!!何かゴニョゴニョと呟いているかと思えば、わたしへの悪口ですか!もういいです。清原先生なんておいていきます。精々(せいぜい)頑張って追いついてくださいね!」


なんてことだ。土柄観(どえみ)への文句を無意識に呟いてしまっていたらしい。

そんなことよりも、まずい、私は栗林の家までの道を知らないのだ!

追いかけなければ!


「おーい、土柄観(どえみ)、悪かった。悪かったから許してくれ!あと、止まってくれー!」


そう言って、私と土柄観(どえみ)は栗林邸の方向へと駆けていったのだった。


―――栗林邸


「ふぅ、やっとついたか、およそ十キロ。長い道のりだった。」


土柄観が走り始めてしまってから幾星霜。とてつもない時を経て、私は栗林の家にたどり着くことができた。隣には息を切らしている土柄観が佇んでいる。


「はぁはぁ、いくらなんでも、速すぎます。途中からわたしが追いかけていたじゃないですか.......

はぁはぁ、それに......長い道のりってなんですか!清原先生が走るから、一時間もかからなかったじゃないですか!」


どうやら、土柄観は不満を抱いているようだ。まぁ、苛立っていていいことはない。私が諭してやるか、


「まぁまぁ、落ち着け。そう、ピリピリしていても世話になる栗林へ失礼だぞ。」


「ムキーッ!そういう問題じゃな・い・ん・で・す!」


うーむ。どうやら火に油を注いでしまったようだ。やはり土柄観の扱いは難しい......

そう私が土柄観をどう宥めようか考え込んでいると、私の視界に一筋の光が差してきた。

眩しいっ!眩しすぎるぞっ!


この光は―――


―――栗林


細めていた目を思い切ってかっぴらく。

すると、私の視界の中には頭頂を見事に光らせた我が友「栗林」の姿があった。


「ようこそ。卍郎。久しいな。」





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