あーかい部! 71話 いっぱい食べて強くなろう
ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立池図女学院。
そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。
3度の飯より官能小説!池図女学院1年、赤井ひいろ!
趣味はケータイ小説、特筆事項特になし!
同じく1年、青野あさぎ!
面白そうだからなんとなく加入!同じく1年、黄山きはだ!
独り身万歳!自由を謳歌!養護教諭2年生(?)、白久澄河!
そんなうら若き乙女の干物4人は、今日も活動実績を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。
池図女学院部室棟、あーかい部部室。
「はむっ……、」
あさぎ、チーズかまぼこを貪りながら入室。
「おお、あさぎか……って、行儀悪いぞ?」
「むぐ……、ごめんごめん。」
「まあチーズかまぼこは美味しいけどな。」
「さっすがひいろ、わかってるね♪」
「おばあちゃんならキレていた……。」
「と、こ、ろ、で……!」
あさぎが耳寄りのお話と言わんばかりに、ひいろに肩をくっつけた。
「遠慮しておこう。」
「まだ何も言ってないじゃん!?」
「あさぎのことだ。どうせ『カマボコをたくさん食べてサメを応援しよう!』とか言うんだろう?」
「 」
まるで事件の動かぬ証拠を突きつけられた犯人のように、瞳孔を収縮させ、こわばらせたあさぎの表情がひいろの指摘を肯定していた。
「…………正気か?」
「なんでひいろが『ランニングシャーク 2ndラップ 公開間近!サメを喰らって人類を応援しようキャンペーン』のことを!?……はっ!まさかひいろも……!?」
「それだけはないから安心しろ。っていうか何なんだその斜め上過ぎる謎の催しは……。」
「『ランニングシャーク 2ndラップ 公開間近!サ
「概要だけ教えてくれ……。」
「最後まで言わせてよ!?」
「とりあえず生足の生えた謎のサメ映画に関係してることはわかったから。」
「おやおやぁ?ひいろさん、随分とお詳しいようで……もしかして、ご興味が
「おばさんに付き合わされて観ただけだ。それより、カマボコとの繋がりがいまいち見えてこないんだが……よくあるタイアップなのか?」
「ひいろ。色々と言いたいことはあるけどまず…………サメとカマボコは無関係ではなーーい!」
「なんだと……!?」
「はいこれ。」
あさぎはチーズかまぼこの箱に入っていた、小さく折り畳まれた1枚の紙をひいろに手渡した。
「何だこれ?ええっと……、
ひいろが紙を広げると、
「『あのサメが食卓に!?おいしい練り物ができるまで』……なんだこの紙は。」
「『ランニングシャーク 2ndラップ 公開間近!サメを喰らって人類を応援しようキャンペーン』限定封入だよ。美味しくてグッズも当たって、食育になるなんて素晴らしいタイアップだよね……!」
あさぎは誇らしげにサムズアップしてみせた。
「なるほど、これがあったから急に練り物を頻繁に食べ出したんだな……。」
「いっぱい食べて強くなろう……!」
「そういうフレーズはヒーローものとのタイアップで使うヤツだろう……。」
「くっ、どうしたらひいろに練り物を食べさせられるんだ……!」
「食べさせなければいいだろう。」
「どうしたらひいろは練り物を食べてくれるんだ……!?」
「……何か欲しい景品でもあるのか?」
「『金のランニングシャーク像』。」
「…………練り物といえば
「話を逸らされた……!?」
「最近コンビニのおでん、見なくなったよな。」
「レジの横でグツグツやってるやつ?」
「そうそう。この間みどり先輩と寄り道した時に気づいたんだがな。あったらあったで暑いけど、無くなると寂しい
「待った。」
「どうした?」
「『みどり先輩と』、『寄り道』……?」
「ああ……。」
「……ひいろ。」
「?」
「なんでそれを話さないの!?いつの間に2人ともそんな進んだのさ!!??」
あさぎはひいろの両肩を力いっぱい掴んで揺すった。
「な、なんだよ。仕方ないだろ?あさぎとは帰り道逆なんだから。」
「そんなことはどうでも良いんだよぉ!?」
「えぇぇ……。」
「ちょっと待ってて。」
あさぎがスマホの通話ボタンを押すと、
「きはだ?……至急。進捗あり。」
「なんできはだ呼んだ?」
「ふぅ。」
あさぎが通話を終了して一息つくとまもなく、
「宴じゃぁぁあ!!」
きはだが景気良くドアをぶち開けて乱入してきた。
「宴……?」
「さあひいろ、話してもらおうかぁ?洗いざらいねぇ……!?」
「え?」
「うるせえ!赤飯食うかぁ!?」
「そこはカツ丼じゃないのか……?」
この後、ひいろはみどり先輩とのコンビニデートについて激しい取り調べにあったそうな……。
あーかい部!(4)
あさぎ:投稿完了っ!
ひいろ:まったく、酷い目にあった
白ちゃん:今日は何してたの?
きはだ:取り調べ
白ちゃん:また何か悪いことでもしてたの?
ひいろ:風評被害だ
あさぎ:残念ですけど、取り調べの内容は一切書いてません……っ!
白ちゃん:珍しいわね?こういう時ってきはだちゃんと2人で『足りないんだよぉ〜大事なところがねぇっ!!』って添削するのに
ひいろ:まったく、いい迷惑だ
きはだ:なんだと!?あさぎちゃんともあろうものが……!
あさぎ:安心してきはだ、次回はひいろに直々に書いてもらうから
ひいろ:それが狙いか
きはだ:ならよしっ!!
白ちゃん:鶸田さんに迷惑かからない程度にね?