99回目 霊能者集団 対 超能力者 4
寺院にこもる霊能者達が念をこめていく。
防御の為に寺院の周囲に霊気を張り巡らせる。
それによって、トシキの超能力を阻む為に。
同時にトシキに向けて、念を集中していく。
いわゆる呪殺をこころみる。
これまで成功したためしはないが。
それでも何もしないわけにはいかない。
相手の攻撃を黙って受けてるだけにはいかない。
足止めをするにも、相手に打撃を与えねばならない。
でなければ、相手を止める事もかなわない。
倒す、殺すつもりでなければ、相手を阻止する事は出来ないのだから。
そもそも、霊能者達が集まってるのはトシキを倒すためだ。
力の差が大きすぎて出来ないだけで。
守りを固める為だけに集まってるわけではない。
寺院の中で儀式が行われていく。
一つは寺院を守るために。
もう一つ、トシキを殺すために。
そんな彼らに、トシキは正面から向かっていく。
強烈な気をまとう寺院に向かって。
そこから飛んでくる、殺意の塊を迎え撃ちながら。
飛んでくる殺意。
それは寺院から飛ばされてくる呪殺である。
砲台のように寺院は、念の塊を飛ばしてくる。
まさにそれは、砲台から撃ち出される砲弾だった。
並の人間なら確実に死ぬほどの。
それこそ何十人とまとめて死に至らしめる程の念がこもってる。
だがそれもトシキには何の効果もない。
飛んでくる殺意の塊は、トシキの周囲に張り巡らされた気の壁に阻まれる。
トシキの念もまた強烈で強力だ。
寺院の守りを固める念に負けず劣らず。
たった一人でそれだけの念力を放っている。
互いの念がぶつかりあい、目に見えない火花を散らしていく。




