98回目 霊能者集団 対 超能力者 3
「来たぞ!」
寺院に立てこもる霊能者達。
彼らは迫るトシキを感知した。
隠れる事もなく正面からやってくるその姿を。
「何を考えてる」
誰もが驚いた。
力の差があるのは確かだ。
どれだけ集まっても、トシキ一人の方が圧倒してる事も。
だとしても、隠れもしないで正面から来るだろうか?
そうしてる理由も分かっている。
力の差がそれだけあるからだ。
だから警戒する事もなくやってくる。
最初から敵とすら見てない。
そういうつもりなのは分かっている。
腹が立つ事だった。
同時に戦慄もおぼえる。
ここまで無警戒にやってこれる程の自信があるのかと。
自身を裏付ける実力があるのかと。
だとしてもだ。
それでも真っ正面から来るものだろうか?
そういう疑問もある。
だかころそ口から漏れる。
「何を考えてる…………」
何か計略でもあるのか。
何か裏があるのか。
正面からやってくる裏で、何かを画策してるのか?
そんな疑問もわいてくる。
だが、もしそうでなかったら。
本当に何も考えず、ただ正面から粉砕するつもりだったら。
もしそうなら唖然とするしかない。
そこまで見下されてるのかと。
そこまで力の差があると思われてるのかと。
呆気にとられてしまう。
そんな霊能者達であるが、それでも迫るトシキに対抗せねばならない。
急ぎ、防御を固める。
ここでトシキを止める為に。




