97回目 霊能者集団 対 超能力者 2
県境という前線を突破される。
それを見て政府側の霊能者達も考えをあらためる。
各地の拠点に分散していてはまずいと。
集結しないと対抗できない事に気付く。
相手が強いことは彼らも理解していた。
だが、その強さを読み違えていた。
思った以上の強さに、霊能者達は恐れおののいていく。
それでも逃げるわけにはいかないと、戦力をととのえていく。
各地から人を集めていく。
集まればそれなりの力になる。
それをトシキの侵攻を阻む形で展開する。
前線を形成し、トシキの足を止めようとする。
その分、穴が空く地域も出てくる。
だが、下手に分散するよりも、合流させて力を増強する事にする。
でなければ対抗出来ないからだ。
そうして足止めしてる間に、後方に戦力を集める。
トシキに対抗できるだけの人数を集中する。
前線形成は、その為に時間稼ぎだった。
トシキの足を止める為の。
ある意味、捨て身の防御だ。
「頑張ってるなあ」
トシキは短く感想を漏らす。
相手も必死なんだと感じ取る。
超能力を使わなくても敵の真剣さが伝わってくる。
そんな敵に向かって、トシキは進んでいく。
わざわざ相手をする必要もない。
迂回して後方に出る事も出来る。
だが、頑張ってる相手にそれは出来なかった。
折角なのだから、誘いに応じてやろうと思った。




