91回目 超能力の発現方法
超能力の開発。
これ自体はそう難しいものではない。
トシキからすれば造作もない事だ。
人間は誰もがこうした能力を持っている。
それが普段は眠ってるだけだ。
それを目覚めさせればいい。
細胞を活性化させれば良い。
人間には超能力を働かせる器官は無いと考えられている。
目や耳のように専門の部位は無いと。
確かにその通りだが、ここで間違いをおかしている。
専門の器官や部位が必要なのではない。
超能力とは、人間の持つ細胞が活性化する事で働くようになる。
その為に必要なのは、細胞の働きを一定以上にすることだ。
トシキはそうなるように刺激を与えてやる。
そうするだけで、超能力に誰もが目覚めていく。
その為に必要な最初の刺激を与える。
そして、目覚めた超能力の使い方を伝えていく。
この手ほどきに少しばかり時間はかかる。
だが、ある程度の所まで導けば、あとは目覚めた本人が勝手に能力を育てるようになる。
赤ん坊と同じだ。
ある程度の年齢までは親の手助けが必要になる。
だが、一定以上に成長すれば自分で動いて考えていく。
そこまで面倒を見ればいい。
超能力者の場合、そうなるまでのさほど時間はかからない。
他にも超能力者がいるのが大きい。
超能力の発現にトシキの手助けはいる。
だが、それからの育成には、既に目覚めた他の超能力者があたっている。
目覚めた力を使いこなすように教えるだけなら、他の超能力者でも十分に出来る。
この為、トシキがするのは超能力の発現だけとなる。
それが出来ればあとは仲間が全てをこなしてくれる。
こうやって超能力者を増やしていく。
今後の展開の為に必要な人数を揃えていく。
防衛だけでなく、今後は攻勢もかけねばならない。
その為には、超能力者が更に必要になる。
まだまだ、超能力者の総数は足りないのだ。




