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8回目 ようやく知る真相・本音

 意識の手をのばし、母親の頭の中を覗いていく。

 神経を直接いじり、相手の思考を読み取っていく。

 そうして見た母親の意識はおぞましいものだった。



「なんだこれ……」

 そこにあったのは、独善性。

 自分の考えだけしかない。

 自分の視点しかない。



 ただ自分の思う事を求める。

 自分の意思に合うものを求める。

 わがままの極みとも言うべき考えがあった。



 それでいて周囲の目を気にしている。

 世間的な常識を気にしている。

 それに沿った動きをしようとする。



 トシキに向けるわけのわからない行動や言動はこれが原因だった。

 暴力はいけない、喧嘩はいけない。

 争いはいけない。

 それをただひたすらに気にしていた。



 だからトシキがどれほど酷い目にあっても気にしない。

 トシキがそういった悪いこととされてる事をしないようにする。

 他人の目にどううつるのかだけ考える。



 自分がよく思われたい。

 良い人と言われたたい。

 優れた人という評価の中にいたい。

 それを邪魔する全てを排除する。



 そんな母親にとってトシキの反撃など許せるものではなかった。

 周りから乱暴者の母親と見られてしまう。

 そんな事絶対にあってはならない事だった。



 トシキが喧嘩をする理由も理解してなかった。

 虐待されてると言ってることは理解している。

 だが、母親は「それが何だというのか」と考えていた。



 他の子供達からいたぶられている。

 それがいったいどうしたというのか?

 それで殴り返せば暴力になる。

 そうなれば評判に傷がつく。

 トシキではなく母親の。

 そんな事許せるわけがない。



 だからトシキに何もさせないようにした。

 殴られても何もしないようにさせた。

 それを破るなら容赦はしなかった。

 乱暴者をこらしめるようにトシキを責めた。

 それが悪いこととも思わなかった。

 なぜならば、悪事を働いた子供に制裁を加えただけなのだから。



 トシキがどれだけ傷つこうと関係はなかった。

 トシキは母親の子供である。

 子供が親の言うことを聞くのは当然だ。

 それなのに言うことを破るのだから、トシキが悪い。

 ……母親はそう考えていた。



 とにかく理解不能だった。

 意識を読み取ったトシキは何でこんな風に考えるのか分からなかった。

 ただ、どこまでも自己中心的だということ。

 周りの事など何も考えてないこと。

 そもそもとして、相手への思いやりがない事。

 それは分かった。



 自分が大好きな人間。

 自分だけ大好きな人間。

 他がどうなろうと全く気にしない人間。

 そういう人間なのだろうと思った。

 ナルシストという言葉が頭に浮かんだ。



 だが、これで理由が分かった。

 なぜ母親がトシキを責めるのか。

 どうして一方的にやられるように仕向けていたのか。

 全ては母親のわがままだった。

「ふざけんな」



 その瞬間、トシキの怒りが爆発した。

 母親の体を内側から破壊しまくった。

 神経を引き裂き、骨を砕き、内臓を破裂させていった。

 すぐに死なないように、壊したところから再生させていった。

 超能力には肉体を治療する力もある。

 そうして死ぬほどの苦痛を死なないように与え続けていった。

 気の済むまでいつまでも。

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