79回目 厄介な味方 8
北原に協力していた一般人を消滅させる。
霊魂を養分として吸収し、この世から完全に消し去る。
そうした作業を繰り返し、仲間の援護をしていく。
なんだかんだで北原達は最大の脅威だ。
超能力を使える者は簡単には撃破できない。
それらを処分する事で、仲間が動きやすくなる。
もっともこのあたりは程度問題だ。
一般人でしかない警察などは障害にならないというだけで。
それよりは超能力者sの方が手強いというくらいである。
どちらも簡単に撃破できる事にかわりはない。
ただ、超能力者が相手だと、かすり傷程度は負うかもしれないだけだ。
「あとは適当に進めておいてくれ。
邪魔になるもんはないから」
仲間にテレパシーで伝えていく。
北原とその取り巻きはまだ残ってるが、それが直接の障害になる事はない。
「でも、良いんですか。
まだ敵の超能力者が残ってますが」
念の為にそう尋ねてくる者もいる。
本当に放置しても良いのかと。
「なんなら、こっちで倒しますが」
「いや、そこまでやる必要は無い」
トシキははっきりと否定する。
「出来るなら、このまま泳がせてやってほしい」
そう言って北原を擁護すらする。
「立ち向かってきたり、たまたま遭遇したらどうしようもないけど。
その時は潰してやってくれ」
それはしょうがないと割り切る。
真っ正面から向かってきたら対処しようがない。
それでも出来る限り生かしておきたかった。
その方が利用しやすいからだ。
北原は今後も邪魔をしてくる。
ろくに脅威にもならない能力をふるって。
邪魔してくるのは鬱陶しいが、大きな脅威になる事は無い。
そして、仲間を集めていくだろう。
これまでのように。
そうして集めてくれれば、探す手間も省ける。
そして今回のように一気に潰していく。
トシキ達が動き出せば何かしらの反応は示すだろう。
そうなれば、また勝手に姿をあらわし、勝手に潰れてくれる。
その方が対処しやすい。
「そういう奴だ。
だから勝手に動いてもらう」
「なるほど」
仲間も納得していく。
確かにその方が楽だと。
「味方や仲間だと面倒だけど。
敵になってくれると、これほど心強い奴だよ」
率直な評価を出していく。
それが北原という超能力者の評価だ。
「むしろあれは、敵のつもりで動いてくれる味方だ」
容赦なく言葉を付け加えていく。
そう言われる北原は、その評価通りの動きを見せていく。
トシキ達にかなわないと悟り、姿をくらませていく。
そしてその場から仲間と共に逃げ出し、再起を図ろうとする。
このままじゃ終わらない、必ずやり返すと。
本人は悲劇の主人公のつもりなのだろう。
実際には、自ら地面を転がる道化に過ぎない。
道化の自覚がないのが問題だが。
それでも北原は、逃げ延びた先でまた同じ事を繰り返すだろう。
何度も何度も、失敗を省みず、成功の道筋を探そうとせずに。
一番滑稽なのは、その動きの全てをトシキに把握されてる事。
それが出来る程の超能力をトシキは持っている。
北原はそれに気付く事もなく動き続けるだろう。
全てが筒抜けであるとも知らずに。
「本当に笑える」
まさに道化だとトシキは呆れるしかなかった。
もう少し頭を使えよと。




