61回目 思ってもいなかった動き
市外に手を伸ばしていくトシキ達。
まずは加害者がいないかを確かめていく。
いなければそれで良い、別の場所に向かうだけだ。
しかし、悲しいことにそういう人間はどこにでもいる。
だから行く先々で見つかる。
そういった者達の特定をまずは進めていく。
処分はそれからになる。
手慣れたもので、作業は順調に進んでいく。
市内制圧で仲間も慣れている。
トシキが特に手を貸す必要もない。
周辺の町への進出は順調に進んでいく。
ただ、その全てが上手くいったわけではない。
どうしても想定外の事態は発生する。
それが予定に狂いを発生させる。
たいていは取るに足らない事ではあるが。
しかし、中には厄介な事も紛れ込んでいる。
「超能力者?」
「はい、それが妨害に来てます」
その報告にトシキは唖然とした。
「逃げ出した奴等か?」
「だと思います」
そう聞いてため息が出てきた。
トシキ達の手から漏れた逃亡者。
それらが集まって組織を作ってるのは知っている。
なかなか上手くいってないのも含めて。
その為、たいした影響力もなく、路傍の石ほどの存在価値もない。
そう思って今まで放置していた。
監視だけつけて。
そんな弱小勢力にもならない連中が出てきている。
その事が信じられなかった。
「何を考えてんだ?」
本気で悩んでしまう。




