53回目 集う者達 4
「どうする?」
逃げ延びた者と、異常を感じ取った者。
それらの気持ちをあらわすと、この一言になる。
何が起こっていて、誰が起こしてるのか。
それらが分かってきた。
だが、どうする事も出来ない。
対抗するには力が足りない。
力の弱い超能力者と。
たいして力の無い一般人。
これらが集まったところで、何が出来るというわけでもない。
とにかく、何もかもが足りなかった。
力がないのは言うにおよばず。
金もないし、組織力もない。
真相を探る調査力も。
世間への影響力や権力も。
それらを持ってる者に繋がる人脈も。
とにかくあらゆるモノがない。
「とにかく、なんとかしないと」
そんな気持ちだけが先走る。
しかし、解決策はない。
ただ、何もしないわけにもいかない。
足りないなら揃えるしかない。
金も道具も人も。
とにかく集めていくしかない。
ただ、簡単にはいかない。
そもそもとして、荒唐無稽な話である。
異常な出来事は超能力者が起こしてる…………誰がそんな話を信じるのか?
そんな話の解決に誰が協力するのか?
警察はまずとりあってくれない。
独自に探偵などを雇うにしても、その金もない。
始まった瞬間から手詰まりだった。
それでも出来る事は何か?
集まった者達はそれを考えていく。
たどり着いた結論は、
「とにかく人を集めよう」
ここから取りかかることにした。




