52回目 集う者達 3
逃げ延びた超能力者達。
異常に感づいた者達。
彼らがまず行ったのは情報収集だった。
今の段階では何が起こってるのかも分かってない。
なぜ人が大量に死んでるのか。
その原因は何なのか。
これがまず分かってない。
超能力に目覚めた者は、誰かが動いてるのを察知している。
はっきりと分かるわけではない。
だが、何らかの意思が動いてるのを感じている。
目覚めた超能力がそう告げている。
だが、それがどういったものなのか。
具体的になんなのか。
それが分からない。
誰かが動いてるという確かな感覚があるだけだ。
詳細を知らねばならない。
その為に、超能力が使える者達が動いていく。
察知力に優れる超感覚で証拠を探っていく。
場合によっては現地に向かう。
危険は伴うが、念動力で戦闘に備える。
こういった超能力によって、ある程度の事が判明していく。
トシキとその仲間の暗躍が。
証拠はないが、その場に残る思念などから、当時の様子を探っていく。
おかげで多くの者が殺処分されてるのが分かった。
しかし、具体的な証拠がない。
写真や動画、音声などが残ってるわけではない。
事件があった場所に証拠となるものも残ってない。
そういったものは全て隠滅されている。
そうでなくても超能力で行われる事だ。
凶器などが残るわけがない。
調べて分かった事は確かにある。
だが、分かったとてどうにかなるものではない。
事件を防ごうにもどうにもならない。
相手がいつどこで動くのか分からないのだから。
仮に分かったとしても、対抗出来ない。
その場に残る思念を読み取る事で、もう一つ分かった事がある。
それを行った者達の強さだ。
逃げ延びた者達からすれば敵になるトシキ。
その仲間も含めて、使っている超能力は強い。
逃げ延びた者達ではかなわない。
この力の差がありすぎる。
どうすればいいのか?
その答えを見つけられず、途方に暮れていく。




