51回目 集う者達 2
出来上がった集団は、起こってる出来事に対抗していく。
とはいえ、やれる事はほとんどない。
なにせ情報が極端に少ない。
人が次々に死んでるのは分かってるが、なぜそうなってるのかが分からない。
超能力に目覚めた者達もそこはほとんど分かってない。
生き残ってる超能力者のほとんどは、直接トシキ達に接触したわけではない。
トシキの仲間が何か起こしてるのを察知して逃げたからだ。
だから生き延びる事が出来ている。
もし接触していたら、逃亡して生き延びる事は出来なかっただろう。
味方にならない者をトシキは認めない。
味方になるかならないか。
この選択肢があるだけだ。
中立というのをトシキは認めてない。
それは、消極的な敵対と考えている。
自分には関係ないから、何が起こっても無視するという。
目の前にある問題を無視していく。
それは、何もしないという形での共犯でしかない。
加害者への協力である。
だから中立、何もしないという者を認めない。
何よりも、いつ敵に回るか分からない。
直接攻撃はしてこなくても、敵に手助けをする可能性がある。
そんな連中を生かしておくわけにはいかなかった。
それが超能力者ならなおさらだ。
敵に回ればこれほど恐ろしいものはない。
だから味方にならない者を徹底して処分している。
生きている、それだけで脅威になるのだから。
おかげで、トシキ達に敵対して生き延びてる超能力者はいない。
逃げる事が出来た者達が、具体的な事を知らないのも当然だった。




