46回目 選ばれる者、選ばれない者
ある意味、選ばれた者と言える。
トシキが処分してる者達は。
非道を働く者を選んで処分している。
そういう意味で、トシキに処分されてるのは、選ばれた者と言えた。
逆に、選ばれなかった者達はそれまで通りの暮らしを続けている。
今までと同じように、今までと変わらず。
トシキの支配する場所では、選ばれる事は死を意味する。
それもこれも、やらかしていた事が問題なのだが。
しなくていい騒動を起こす。
ただひたすらも問題を作り出す。
そうした者が次々に選ばれていく。
処分対象に。
これは表立って騒動を起こした者に限らない。
裏でそそのかしていた者達。
それらも該当する。
むしろ、こういう者のあぶり出しにトシキは熱心だった。
実行犯も確かに問題だ。
だが、実行犯を作り出す首謀者はより大きな問題になる。
それらが問題を起こす人間を次々に作り出すからだ。
これらを実行犯の記憶を探って見つけ出していく。
そして、これらを処分していく。
こうしてトシキに選ばれた者達は、次々に殲滅されていっている。
次々に悪行を働く者達を処分し、平穏を取り戻していく。
そして、選ばれなかった者達だけが残っていく。
トシキの征服した地域は、選ばれなかった者達の楽園となっている。
そこでは無駄な争いは起こらない。
そこにいるのは、選ばれなかった善良な者達だけ。
少なくとも、不毛な争いを起こす者はいない。
選ばれなかった者達は、今まで通りに生きていける。
ただ、全てが今まで通りというわけではない。
一人一人は今まで通りに生きている。
だが、生きる環境や状況は変わっている。
その変化は大きい。




