45回目 作り上げた町
加害者を超能力で見つけ出し、処分していく。
加害者を擁護する共犯者もあぶり出して潰していく。
これらの被害者を救出し、仲間に加えていく。
そうして平穏な場所を少しずつ増やしていく。
過去に逆行してきたトシキは、こうして静かに暮らせる場所を作っていく。
以前ほど派手に動くことは出来ないが、それでも少しずつ物事は進展していってる。
死亡届などがやたらと増えてる事に疑問を抱く者はいる。
だが、たとえ異常だとしてもそれを追及する事は出来ない。
現代科学では超能力を解明する事は出来ないのだから。
なにより、証拠が残らない。
これでは事件として扱う事は出来ない。
警察を始め、おかしいと思ってる者達はいる。
しかし、それらが真相にたどり着く事はない。
仮に真相にたどり着いたとしてもだ。
トシキ達の超能力で処分される。
止める者など誰もいない。
誰も止められない。
トシキの快進撃はどこまでも続く。
時間を逆行して戻ってきてから1年。
トシキは住んでいた町を飛び越して、市内全域にまでその影響力を広げていた。
そこは、選ばれた者だけが穏やかに暮らせる楽園になっていた。
あるいは、こうも言える。
選ばれなかった者達が住む場所と。




