35回目 安全圏の確保
共犯者を処分し、家に戻る。
母親は既に処分し、父親もトシキを無視するようにしている。
当然、母親の事など気にもしないように仕向けて。
もちろん、トシキの事も考えないようにさせてある。
おかげで、トシキは家の中で同居人を気にせずにいられた。
自分の空間、自分の時間。
部屋の中でそれを満喫しながら考えていく。
今後の事を。
まず、今後も出てくる超能力者は確実に処分していかねばならない。
味方になる者はともかくだ。
敵に回ると面倒な事になる。
そんな者は、力が弱いうちに消した方がいい。
同時に、味方も出来るだけ作っていく。
同じ小学校と他の地域にいた被害者達のように。
その中で超能力に目覚める者がいたら、積極的に保護していきたかった。
こういう者は、たいていトシキの考えに賛同してくれる。
変に逆らう事は無い。
また、こうした味方の能力も成長させていきたい。
力が強くなれば、それだけ頼もしい戦力になる。
超能力の開花も促せるならばやっていきたいところだった。
ただし、自分の味方になる者だけに限定して。
敵に回る可能性のある者まで成長させる必要は無い。
自分の安全の確保の為に、やれるだけの事はやらねばならない。
でなければ、また不遇な人生を送る事になる。
また前回の人生のように、最後は悲惨な死に方をするのは避けたかった。
せっかく時間を遡って復活したのに、それでは意味がない。
安全圏を作る。
落ち着いて暮らしていける場所を作る。
前回の人生ではなかったもの。
それを、今回の人生で作り出していく。
その為にも、邪魔は排除せねばならない。




