34回目 加害者の仲間────共犯者
頭の中をあさって分かった。
目の前のこいつも敵だと。
まず、加害者の友人だった。
何をしてるのかも分かっていた。
分かっていて、被害者をいたぶっていた。
それに肩入れしていた。
一緒になっていたぶっていたわけではない。
だが、それを止めなかった。
心の中では積極的に支持していた。
あろう事か、それを遊んでるものと見なしていた。
間違いなく加害者は暴行・傷害を行っていたのに。
その加害者が消えると、その心配をしていく。
加害者がどうなったのかを探りに出る。
トシキの事を見つければ、監視を始める。
加害者のかたきを取ろうと。
擁護する部分がなかった。
徹頭徹尾、加害者の心配をしている。
加害者側に立っている。
被害者への思いやりなどない。
そんな人間だった。
だから容赦はしなかった。
遠慮無く霊魂を吸収していった。
被害者の事などこれっぽっちも考えない者など、生かしておく理由がない。
それは加害者への援助でしかない。
共犯者と言っても良い。
共犯者は加害者の一味である。
霊魂を吸収し、存在そのものを消滅させていく。
体が干からび、崩れ落ちていくのを眺める。
喉から絶叫が。
心から絶望が上がってくる。
それも霊魂が形を失うにつれて無くなっていく。
最後には土塊となってその場に積み上がった。
それを見てため息を吐く。
今後もこういうのが出てくるだろうと思って。
「鬱陶しいな……」
こういうのが今後も確実に邪魔しにくる。
そう考える気が滅入った。
対策を考えていかねばならない。
こういった連中をどうやって処理するかを。
味方になるなら良いのだが。
大半は敵対するだろう。
ならば、戦うしかない。
面倒だがやるしかない。
平穏を手に入れるならば。
障害になるものは排除しなければならない。
ただ、とりあえずは処分したこの共犯者。
これの家族などを黙らせねばならない。
子供が消えれば、さすがにおかしいと思うだろう。
そうならないように、洗脳をしておかねばならない。
家族と、近隣の者達に。
「まったく……」
ため息を吐きながら、共犯者の家にいく。
そういった個人情報の類いは、頭の中から読み取っている。
迷うことなくまっすぐにそちらへ向かう。
それから数十分後。
共犯者の家族もこの世から消えた。




