117回目 話し合いは話し合える者とだけするもの
トシキは邪魔なものを全て排除するつもりでいる。
住みやすい環境に不要ならば。
そんなトシキにとって、敵対する要素など必要ない。
また、交渉であるが。
それは相手の意思や気持ちなどを確認するものでもある。
トシキにそれは必要ない。
相手の思考を読み取る事など簡単にできるのだから
それでも、話し合いをする事はある。
相手に自分の考えや気持ちを伝える為に。
相手の考えや気持ちを、本人の口から聞くために。
だが、それはあくまで話し合いが出来る場合に限られる。
相手を丸め込む、自分の都合を押しつける。
そういう連中と話し合う事は無い。
話し合いにならないからだ。
時間の無駄である。
そもそも、そんな事をするのは、加害者達である。
そういう連中を一掃するために行動してるのだ。
話し合う必要がない。
なのでトシキは政府と交渉などしない。
する必要がない。
だいたいにして、要求するべき事がない。
何かを引き出したり、手に入れたり。
そうした事をする必要がない。
求めるものが何もないからだ。
何かを求めるにしてもだ。
それならば相手から奪えば良い。
加害者や共犯者、偽善者がそうしてるように。
そう考えてるので、トシキは政府と交渉はしない。
要求もしない。
何も求めない。
政府が持ってるものが欲しいなら、奪えば良いのだから。
その為に政府の了承をとりつける必要もない。
洗脳して思いのままに操れば良いだけだ。
まずもって交渉の余地がない。
するつもりが、そもそも無い。
そんなトシキと交渉をしようというのが無謀である。
だが、そう考えるのも仕方が無い事。
とにかく情報が少ない。
だから効果的な手段を考える事も出来ない。
となれば、今までのやり方をもとに考えていく事になる。
それが通用しないかも、とは一応考える。
だが、それでもまずは今までを元に考える。
そうして政府は失敗をしていく事になる。
こういうった事すらもトシキに読まれてると知らずに。
「まあ、そう考えてるならいいけど」
政府側の行動を見ながら呆れる。
無駄な努力はあわれと思うが。
しかし、かまってやるつもりもない。
必要のない者はさっさと処分するつもりでいる。
今までと同じく。
ざっと見たところ、大半が処分対象である。
生かしておくつもりのない連中が多い。
必要な情報を抜き出したら用はない。
「それまで人生を楽しんでおけ。
やり残しがないように」
聞こえない最後通牒を告げる。
それから24時間。
日本政府は崩壊した。
トシキが選んだ者だけ残して。




