106回目 霊能者集団 対 超能力者 11
霊能者・政府による防衛は続く。
各所に集中していた霊能者を更に一カ所に集める。
そうしてトシキの侵攻を止めようとする。
この時点で、県内の霊能者も政府も諦めてはいた。
トシキの力の強さを目の当たりにして。
あれには勝てないと誰もが思っていた。
少なくとも、数百人程度の霊能者でどうにかなるとは思っていない。
それだけトシキの力は強力だった。
だからといって逃げるわけにはいかない。
ここを突破されたらどうなるか。
確実にあちこちで人口減少が起こる事になる。
極端な人口減少。
法律上・書類上は不審な所の無いものだが。
それでも短期間に人口が半減もすれば違和感を抱く。
異常事態と言ってよい。
なんらかの策略があってもおかしくはない。
政府もそう考えて霊能者を集めている。
事に対処するために。
この問題を解決する為に。
その為の霊能者が後退したらどうなるか?
今までと同じように、異常なほどの人口減少が起こるだろう。
それを放置するわけにはいかなかった。
だからトシキを止める必要がある。
これ以上の被害を止めるために。
霊能者と警察・自衛隊が踏ん張る理由はこれだった。
ここで止めないと、もっと被害が拡大するから止める。
その為に留まって戦うつもりでいた。




