100回目 霊能者集団 対 超能力者 5
寺院から飛んでくる殺意の念力。
幾つも飛んでくるそれを、トシキの念は阻んでいく。
両者がぶつかる度に、念がはじけて火花が飛ぶ。
だが、トシキは微動だにしない。
寺院側から飛んでくる念力の塊。
それらは確かに派手にはじけ飛ぶ。
その衝撃が周囲をたゆわす程だ。
だが、はじけ飛んでるだけだ。
トシキには届かない。
殺意はトシキの念力に阻まれている。
「な…………」
「嘘だ…………」
誰もが唖然とする。
何十人といる霊能者。
それらが練り上げた念が全く通じない。
ものともせずに進んでくる。
驚くのも当然だ。
「撃て、撃てええええええええ!」
寺院の護衛についていた警察・自衛隊が攻撃を開始する。
霊能者ほどの攻撃力は期待できないが、彼らも控えていた。
そんな彼らも攻撃を開始する。
89式自動小銃が。
12.7ミリ機関銃が。
84ミリ無反動砲が。
手榴弾やライフルグレネードが。
持ち込む事が許可されたあらゆる武器が使われていく。
それらがトシキに向かっていく。
威力・殺傷力においては、呪殺には及ばない。
だが、人間相手なら十分過ぎるほどの破壊力が放たれる。
過剰なまでに攻撃がトシキに向けられる。
しかし、これらもトシキに届く事はなかった。




