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第九話 差別

「へー、ファルケンってこんな感じなんだー」

「想像以上に大きい町なんだな」


今俺たちは馬車を降り、隣町のファルケンに来ている。


「ケイヤ、俺腹減ったー」


ニックは無気力な声でつぶやくと、下を向く。


「そうだな。ご飯にするか」

「そうですね」

「うーん、何かいい場所はないかなぁ」


ソフィアはそう言ってあたりを見渡す。


「あ、あそこいいんじゃないですか?人もいっぱい入ってますし」


オリビアは角にある店を指す。


「そうだな。そこに入ろう」


そして店の中に入ると…


「は?別にここ王都じゃないんだから入れてもらってもいいわよね!」

「しかしお客さん…レードの入店は禁止されておりまして…」

「だからそれが意味わからないって言ってるのよ!私も同じ人間じゃない!」


カウンターで赤髪の少女が店員と口論をしていた。


「ケイヤさん」


オリビアがアイコンタクトをしてくる。

俺はアイコンタクトの意味を理解した後、


「ああ。店員さん、彼女を入れてあげるのはどうかな?」

「お客さん、さっきの話聞いてましたか?レードは入店禁止なんです」

「ああ、聞いてたよ。それを踏まえて、入れてあげろと言っているんだ。なんだ、そうしても入れてあげられない理由があるのか?」

「はい、法律に反することになるので」

「だったらこれはどうだ?」


そういって俺は聖剣を抜き、店員に王家の紋章を見せる。


「彼女を入れて捕まっても、俺がかばってやる」

「ゆ、勇者様でしたか。わかりました。テーブル、一名様と四名様のご来店でーす!」


そういって店員は逃げるように厨房へと入っていった。


「じゃあ席着くぞ」

「ケイヤさん、相変わらず黒いです…」


オリビアが何か言っていたが、聞かなかったことにしよう。

俺はそのまま赤髪の少女に向くと、


「お前も一緒に来るか?」

「じゃ、じゃあ私も一緒に」


そのまま隅の席に着いた。


「じゃあ、改めて自己紹介をする。俺は、三人の勇者のうちの一人で高安慶也だ」

「同じく勇者の、オリビア=ステートです」

「俺も勇者でニック=ピーターソンだ。よろしく!」

「じゃあ私の番だね。驚かないでほしいんだけど私の名前はソフィア=ルージュベルクでこの国の王女なんだー。よろしくねー」


王女をそんなに強調する必要なんてあるのかよ。


「私の名前はブライドでこの国でBランク冒険者をやってるわ。よろしく」

「あの…一つ聞きたいことがあるんですが…」

「何?」

「レードって何でしょうか?」


オリビアがそう聞くと、ブライドは途端に暗い顔をする。


「ああ、北のほうに住んでる赤い髪を持つ人種ね。でも最近女王様がレードが公共サービスを使うことをを禁止して、赤い髪の人間は外食できなくなってしまったのよね。」


あの女王、差別までしてるとは…悪の塊だな。


「あ、そろそろ新しい依頼で張り出されてるはずだから私はそろそろ行くわ。じゃあね」

「ああ、またな」


そういって彼女は身支度をして店を出て行った。


「じゃあ俺たちも行くとするか」

「そうだねー」


そして店の入り口まで来ると俺はカウンターに金貨を20枚をジャラジャラと置く。


「これやるから、これから絶対にレードは入れろよ」

「はい!」


そうすると、金に目が行ったのか店員はすぐに返事をした。

ソフィアの方向から悪寒がするがそれは放っておこう。

そして俺たちは店を出ると、オリビアが、


「これからどうしますか?」」

「そうだな、狩りなんてどうだ。魔物と戦うのはレベルがどれくらいに高いのかしっておきたいしな」

「それはいい考えだな!早速Sランクの魔物と戦いに行くぞ!」

「いや、絶対無理だと思います」

「ニック君は本当にバカだよねー」

「ソフィアさん、傷つくからやめてくれ…」

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