第十八話 四天王
「ケイヤさん、大丈夫ですか!?」
「気を失ってるみたいだね。あと、どれくらい持つかな…」
我に返ったオリビアたちは、慶也の近くに向かった。
「おっと、勇者の仲間かな?敵がいるのに放っておくとは、いい度胸だね」
「だったら、こちらから言わせてもらう。なぜ領主という肩書を持つものが世界の希望である勇者を殺そうとするんだ?王女として、いや、私として、それもなかなか肝が据わってると思うよ」
「そりゃ、邪魔者は殺さないとね」
領主は、そう言うとニヤリと微笑む。
「やっぱり、私の読みは合ってたわ。彼は魔族、その見た目ではおそらく四天王のスタルフェ=グロースね」
「え、なんでわかるんですか?」
「まあ、何度も見てきたからね」
「そうなんですね…さすがBランク冒険者…戦うレベルが高い…」
ソフィアはオリビアの言ったことが少しだけずれてると思ったが、言うと悪寒を感じる気がしたので口にしなかった。
「よくわかったね。ぜひとも私のアシスタントにしたいものだよ…なんておしゃべりは終わりだ。早く戦おうじゃないか。今回は本気で行くから、覚悟しておいてね」
彼がそう言った瞬間、彼からとんでもないほどの威圧がオリビアたちに向いた。
しかし、ブライドは全く気にせず、自信満々に言い放った。
「もちろんよ。こっちこそ、ボコボコにしてやるから、覚悟しときなさいよ」
「そうだね。じゃあ早速、先攻と行こうか。≪シャドーサイト≫!」
そうして、初の四天王との戦いが始まったのだった。
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※慶也視点
目を覚ますと、さっきとは違った場所にいた。
「ここは…どこだ?」
俺がいるのは、大きな柱に支えられた大きな神殿だった。
今の状況に困惑していると、
「高安、久しぶりじゃの」
聞き覚えのある声が後ろから聞こえた。
慌てて声の聞こえた方向に向くと、
「あ、あの時の…」
異世界転移する前に出会ったジジイが立っていた。
「今またジジイと思ったじゃろ!全くお前は変わっとらんな…」
あ、この神様思ってることが分かるんだったな。
「すまん。で、なんで俺は見たこともない場所にいるんだ?」
「そうか、言い忘れておった。お前はさっき、気を失ったじゃろ?」
「ああ、魔族と戦って惨敗したよ。実に愚かだった」
「今、お前は精神世界にいるんじゃ。あることを伝達しようと思ってな」
伝達?俺は何も心当たりがないが…
「何だ?」
「お前がいる世界には、複雑な事情がある。世界を救えと言ったが、簡単に終わらせることのできるものではない。しっかりと頭を最大限活かして、この世界を救うのじゃ」
「頭を使う…わかった。心の中に残しておくよ」
「じゃあもういいな。そろそろ仲間が討伐を完了してお前を回復するところだ。わざわざ聞いてくれてすまなか…」
「一つだけ、いいか?」
俺は一つだけ、ずっと気になっていることがあった。
「何じゃ?」
「なんで、人を殺した俺なんかに、異世界転移の選択肢を与えたんだ?」
すると、神様は微笑み、
「いつか、お前が世界を救った時に、理由が分かるじゃろう」
そう言って、神様は目の前から消えた。
そして、俺もゆっくりと意識がもうろうとしていくのだった。
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