解体と料理
まずはギルドに向かう。
ギルドでは解体の講習が受けられるので忘れないうちに受けておこうと思ったからだ。
実際に始まりの町では忘れてしまっていたからな
ギルドの受付で解体の講習を受けたい旨を話したら解体場に案内された。
そこで講師となるムキムキマッチョな男性、マッスルさんに解体の仕方を教わる。
まずは裁断機?というのか大きな刃がついた物で解体する鶏の首を切断する。
次に鶏を逆さまにして血を抜いていく。
血が抜けたら羽をむしっていく。
で腹を開く。
中身は内臓なのでなるべく傷つけないように取り出す。
あとは部位ごとに切り分けて終わりだ。
いやーリアルでもやったことがあるけど羽をむしるまでがグロいんだよなー。
でも腹を捌くのは抵抗ないという不思議。
だって腹の中身ってスーパーに陳列されているモツのまんまだからな。
むしろ羽をむしった時点で僕のなかではもう食材に変わっているので気持ち悪さも感じない。
この講習で貰えるのは解体のスキルと解体した鶏 解体スキルはこの一回だけ乗り切れば次からはすでに処理済みのものがドロップするようになっている。
モツは焼き鳥ともつ煮込みにするとして解体したのとは別に丸のままの鶏もあるんだよな。
この鶏は手際がよかったからとマッスルさんから頂いたものだ。
なので生産ギルドの安い大部屋を広めにレンタルして鳥の丸焼きを作っていくことに。
ちなみに説明すると生産ギルドの生産スペースは鍛冶や調薬などの各種生産スキルによってまず別れ、そこから個室か大部屋かが選べる。
個室の利点は一人でできることと情報の漏洩がないことなど、大部屋の利点は回りに他のプレイヤーがいるため勉強しほうだいなことと上限はあるものの広さを自由に選べることなどだろう。
デメリットは個室は値段の高さ、大部屋はトラブルが起きやすいことと情報を盗まれかねないということなどだろう。
まぁ、そもそもこの規模の設備がどうやって三階建てほどの生産ギルドに収まっているのかという疑問はあるがそこはゲームだからだろう。
そんなことをつらつら考えている間にも手はどんどん動かしていく。
トマトソースの中にオリーブオイルで炒めた大きめに切った野菜や鶏肉、キノコ類と茹でたニョッキを入れ、煮込んでいく。
ある程度煮たったら火から離し少し冷ます。
それを腹を開いた鶏の中にチーズ、ローリエと一緒に入れ、鉄串でしっかりと締めたら焼いていく。
鶏は塩と胡椒をしっかりと揉みこんだあと、オリーブオイルを塗りつけておいた。
鶏を吊るすのは鉄の棒を二本づつ左右にクロスさせて立ててそこに同じく鉄の棒を横にして間に入れた簡易の吊るし台だ。
一応土魔法で補強もしてあるので大丈夫だろう。
早速吊るして焼いていく。
時々油を塗りながら氷魔法で作ったハンドルで回しながらじっくり焼いていくと次第にこんがりきつね色になっていき辺りに美味しそうな匂いが立ち込める。
そろそろ食べ頃だと手を止めた時、数人のプレイヤーに声をかけられた。