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第7話『中間試験-2学期編-』

 それからはバイトがない日は、結衣や胡桃、伊集院さん、中野先輩と一緒に試験対策の勉強会をした。

 幸いにも苦戦している科目はないし、分からないところや合っているか不安のあるところは結衣に質問すればすぐに解決できる。なので、どの科目もスムーズに試験対策の勉強ができている。

 また、胡桃と伊集院さんから質問されて教えるときもあるので、勉強会は毎回充実した内容になっている。

 結衣達も試験勉強は順調とのこと。試験最終日の放課後にある。スイーツ部主催のハロウィンパーティーが楽しみで、それがやる気に繋がっているとのことだ。

 俺もパーティーがあるのでいつも以上に頑張れている。結衣達と一緒に試験勉強を頑張っていこう。




 そして、10月28日から2学期の中間試験が始まった。

 苦手な科目もないし、結衣達との勉強会も充実していたから、どの科目も結構な手応えだ。

 結衣はどの科目もよくてきているとのこと。

 胡桃、伊集院さん、中野先輩も結構調子がいいそうだ。苦手な科目はあるけど、なかなかの手応えだという。

 結衣達も調子が良くて何よりだ。このまま最終日の最後の科目まで駆け抜けたい。




 ――キーンコーンカーンコーン。


 10月31日、木曜日。

 中間試験最終日の最終科目・古典の試験時間の終了を知らせるチャイムが鳴った。これで中間試験が全て終わったので、


「試験終わったぜー!」


「試験終わった! これでまた部活できるー!」


 と、チャイムが鳴り終わる前から喜びの声を上げているクラスメイトが何人もいた。

 教室の中を見渡すと、試験が終わった解放感からか明るい笑顔になっているクラスメイトが多い。それもあって、教室の雰囲気はとてもいい。

 結衣も明るい笑顔になって、近くの席にいる伊集院さん達と楽しそうにお喋りしている。放課後のハロウィンパーティーを楽しみにしているのもありそう。そう思いながら見ていると、結衣と目が合い、結衣が俺に小さく手を振ってきた。結衣の反応もあってか、伊集院さんも俺に向かって手を振ってくる。結衣も伊集院さんも可愛いなぁと思いながら2人に手を振った。

 試験監督の先生の指示により、各列の最後尾の席に座る生徒が答案用紙を集めて先生に提出した。


「中間試験お疲れ、低田」


 俺の前の席に座っている橋本(はしもと)がこちらに振り返って、落ち着いた笑顔で労いの言葉を掛けてきた。


「ああ。橋本も試験お疲れ様」

「うん。ラストは古典だったけどどうだった?」

「結構手応えあったよ。橋本はどうだった?」

「俺も手応えあった。1学期よりもいい点数取れそうだ」

「それは良かった」

「ありがとう。低田も良かったな」

「ああ、ありがとう」


 俺がそう言うと、橋本は俺にニコッと笑いかけた。

 前後に座っているのもあって、毎科目こうして試験が終わると今のように「試験どうだった?」と訊くのが恒例になっていた。橋本も恋人と一緒に試験勉強をしたそうで、「結構できた」と言うことが多かった。また、苦手な科目については「赤点はないと思う」と言っていて。その通りの結果になることを願う。

 橋本と話していたら、試験監督の先生が教室を後にした。

 それから数分ほどが経って、


「はい、みんな。終礼をやるから席に着いてね」


 担任の福王寺先生が教室に入ってきた。何だか、先生……いい笑顔をしているな。放課後のハロウィンパーティーが楽しみなのかも。


「では、終礼を始めます。みなさん、中間試験お疲れ様でした! そのため、今日の放課後から部活動が再開されます。また、明日からは通常の日程に戻り、試験が実施された科目については授業の中で随時返却する予定です。ちなみに、数Ⅰは明日の授業でさっそく答案を返却しますよ~」


 福王寺先生は明るい笑顔でそう言った。数学Ⅰは初日の月曜日に試験があったので、もう採点が終わっているのだろう。

 また、不安に思っているのか、一部の生徒からは「えぇっ」といった声が聞こえてきた。


「それでは、また明日会いましょう。これで終礼を終わります。委員長、号令をお願いします」


 その後、クラス委員長である女子生徒が号令を言って、放課後になった。

 部活がある生徒を中心に、何人ものクラスメイトがバッグを持ってすぐに教室を後にした。


「悠真君、試験お疲れ様!」

「お疲れ様なのです、低田君」


 結衣と伊集院さんが俺の席にやってきた。中間試験が終わって、この後にスイーツ部主催のハロウィンパーティーがあるからか2人ともニコニコとした笑顔になっている。


「結衣も伊集院さんも中間試験お疲れ様」


 労いの言葉を掛けて、結衣の頭を優しく撫でる。

 俺に撫でられるのが気持ちいいからか、結衣の笑顔が柔らかいものになる。その笑顔が可愛くて、結衣の髪の撫で心地がいいので中間試験の疲れが取れていく。


「結衣達と一緒に勉強したおかげで、今日の科目も手応えがあったよ」

「そう言ってくれて嬉しいよ。私も今日も手応えあったよ!」

「あたしもなのです。今日は苦手な英語表現Ⅰがありましたけど、みんなとの勉強会のおかげでそこそこできたのです」

「そうか。良かった。中間試験も無事に終わったし、これで心置きなく今日の放課後のハロウィンパーティーを楽しめそうだ」

「そうだね、悠真君! 試験の解放感もあるし、凄く楽しめそうだよ!」

「本当に楽しみなのです!」


 結衣と伊集院さんはニッコニコとした可愛い笑顔でそう言う。こんなにいい笑顔はそうそう見ない。パーティーが楽しみなだけでなく、結衣の言う試験からの解放感もあってここまでの笑顔を引き出しているのだろう。


「あたしも楽しめそうだよ、ゆう君、結衣ちゃん、姫奈ちゃん。試験が無事に終わったから」

「先生も楽しめそう! 数Ⅰはもちろん、数Aも試験の採点が終わったし!」


 気付けば、隣のクラスの胡桃と、福王寺先生が俺達の近くまで来ていた。2人もかなりいい笑顔になっている。胡桃も無事に試験が終えられて良かった。先生は……数Aの方の採点も終わったのか。数Aは試験3日目である昨日実施されたけど。今日はスイーツ部のパーティーがあるから、昨日のうちに頑張って終わらせたのかな。

 ――プルルッ。

 ブレザーのポケットに入っているスマホが鳴る。

 さっそく確認すると、俺、結衣、胡桃、伊集院さん、中野先輩がメンバーのグループトークに中野先輩からメッセージが送信されたと通知が。その通知をタップすると、


『試験お疲れ様! 無事に終わったよ。みんなはどうだった? あと、この後のハロウィンパーティー楽しみにしてるよ!』


 という中野先輩からのメッセージが表示された。先輩も無事に試験が終わったか。良かった。

 グループトークにメッセージが送信されたので、結衣、胡桃、伊集院さんもスマホを手に取っていた。

 俺達4人はみんな「お疲れ様です。よくできました」という旨のメッセージを送信した。

 中間試験も終わったし、ハロウィンパーティーまでもうすぐだ。

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