隠れ里湯西川 前段
隠れ里湯西川
9月の木曜日、1泊2日で栃木県の湯西川温泉に。7月の鬼怒川温泉は温泉らしくなく、それなら川治温泉にすれば良かったということから、では、もう少し山奥の湯西川温泉に行こうとなり、哲也が宿を平家の庄とした。
鬼怒川の旅もゆっくりだったが、今回も鬼怒川温泉と同じ位の距離、慌てることなく8時出発。
何時も朝は私の運転で、荷物の中は宏ちゃんが車中で飲みたいからとお酒も準備。前回の鬼怒川温泉でも途中道の駅で、哲也がワンカップを買ってくれたので、宏と二人飲みながらの旅だった。
しかし、私は、今回は飲まないと決めた。宏ちゃんは、柿ピーやポテトチップをつまみに、哲也が用意して呉れた奥の松の純米吟醸スパークリング300CCを早速飲み始めた。
長沼を通り羽鳥湖を越え、国道118号線の会津街道に至る道はナビなど設定せず、通行量の少ない田舎道は家族の会話に最適だ。宏は家でもそうだが、酔うと面白いことを連発するので、この車中でも会話が途切れることはない。
羽鳥湖に到着、誰も駐車しておらず、湖面も静か、風もなく半袖でも寒くなく、秋の柔らかな日差しを浴び、ここで哲也に運転を交替、これもいつものこと。
下郷町に入る前にトンネルを潜るがここは紅葉の名所、間もなく全山紅葉で埋め尽くされる。阿賀川の橋を渡れば下郷町、右に行けば芦ノ牧温泉。
ここで話は変わるが私が勤務している警備隊の渡邉隊長のお父さんは、私より一つ上の団塊世代、そのお父さん、20代の頃、何と二本松から耕運機に数人乗って芦ノ牧温泉に行ったとか。
我々は、進路はとりかじに切り、駅に温泉がある茅葺屋根が目印の会津鉄道湯野上温泉駅を過ぎ、途中郵便局で哲也が用事を済ませに道路際の駐車場に入ったところ、郵便局建物横の民家の敷地内の土蔵を修理する3人の年配の職人さん達を見る機会を得た。
息のあった仕事ぶりで次々とトタン板を剥がしていく、頭分の人は70過ぎているかもしれないが、かくしゃくとした働き振りをみていると、私もまだまだ頑張れねば、と思わされた。
手続きに時間を取らせたと郵便職員が見送ってくれるので、頭を下げ、この道を通れば必ず寄る下郷町物産館に到着。目当ての蕎麦つゆは無かったが、名物の栗おこわを買って哲也と響子ちゃんは食べる、私にも勧めるが私はお腹を空かして、夜腹一杯食べて飲むのが楽しみだから食べない。