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栗林家の家族旅行記3 湯西川  作者: 栗林 與志晴
2/11

愛隣館

 松尾八幡平ICの案内が見えた時、木造作りのがっしりとした建物が、そう、それは義父と一緒に昼食を摂った蕎麦屋だ。看板はなく営業していないように見えた。八幡平への入り口付近の店だった、そうか、あれから17、8年になるのか。そのときの義父より私の方が今は歳をとった。


 そんな感慨も一瞬、あとはひたすら今夜の宿愛隣館へ、今回の旅も哲也が運転を殆ど担当、何時も安心して乗っていられる。風は相変わらず強い、一度強く煽られたので、慎重に走らせる。今日の走行距離は3月下呂を訪ねた時と匹敵するかもしれない。


 花巻南ICで降り、走ること20キロ、到着。山間の中、溶け込むかのように茶色の建物が。玄関に着けば、係の人が車を移動。フロントで受付、夕食は半バイキング方式、予定通り5時に到着したので、6時20分から食事。


 部屋から、新緑が目に飛び込んでくる。早速風呂に、ここは風呂が自慢の宿。曜日毎、時間毎に男湯、女湯と区切っているので、泊まり客は充分それぞれの湯を楽しめる。先ず、その名も川の湯に。


 鳥羽の時もそうだったが、部屋や風呂は、フロントより階下になる。地下に降りると直ぐ風呂があるが、そこを過ぎ、廊下を通り、櫓が組んである広場の奥に川の湯が。


 ゴールデンウィーク明け、宿も静かに見える。けど、ここ愛隣館は日本百選にも選ばれた有数の宿、今日も客は多い筈。親子3人、早速風呂に。泉質は透明でさらさらしている、42度弱、このくらいの温度が一番好きだ。目の前に川が流れている。


 露天風呂もある、哲也と宏は早速露天風呂に。私も行く。石段を下りれば、川がさらに大きく映る。だから川の湯、洒落たネーミングだ、気にいった。また後でゆっくり入ることにして、一足先に部屋に戻り、響子ちゃんと交替。慌てたのか、浴衣が裏返し、係の女性から少し笑われながら。


 少し早いかもしれないが、予約の時間通り夕食会場へ。係に案内されて一番奥の部屋に。椅子席だが区切られているので、周囲に気兼ねすることなく食事が出来るのは有難い。


 生ビールで乾杯後、ペットボトルに入れた南部美人を飲む。そう、持ちこみです。1時間程で部屋に戻る。8時半から民謡ショーがあるので、櫓が組んである広場にいくと、もう十数人観覧している。


 民謡を歌うのは60前後の女性、三味線はこれまた同じ年配の男性。張りのある声が会場に隈なく響く。生演奏を聞くのは、昨年男鹿で聞いた太鼓以来だ。女性は歌いながら間の手に小太鼓も叩くので大変だ。東北6県の民謡を順番に歌って呉れる。


 途中津軽三味線の独演も入り、次第に人も多くなり、約30分の歌謡ショーも無事終了。まだ、そこからは盆踊り大会もあるが、私達はここで引きあげる。部屋で宏ちゃんが待っているので。


 部屋に戻り、また酒を飲み花札をやり、私はまた一風呂浴びに行く。川の湯は終了しているので、別の風呂場に行くと誰もいない。露天風呂は水深1メートル50程あるので、胸まで浸かる。浴槽に腰掛けて思い切り演歌を歌う、気持ち良い。今日は約590キロ走行した、新記録。


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