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栗林家の家族旅行記3 湯西川  作者: 栗林 與志晴
10/11

隠れ里湯西川 中段

 田島を通り、国道121号を鬼怒川方面に南下する途中、開当男山酒造がある。


 前回鬼怒川温泉の時も寄ったが、対応して呉れたのは男の人、試飲を勧めるでもなく商品を説明するだけでもなく、無口な応対でも寝酒用に酒を2本購入。


 今日はどうかと思っていたら、嬉しいことに1回目に訪れたとき応対してくれた40前後の女性がいた。ここを訪れるのは3回目、この道を通れば必ず寄る、今日は湯西川温泉に泊まるなど話も弾み、前回の無口なおじさんのことも云ったら、それは社長かもしれないと。


 私は、この女性はきっとその奥さんだと思った。落ち着いた話振りと柔らかな物腰は、伝統あるこの酒蔵にぴったり、美人なのが尚良い。


 秋お勧めの酒を購入し、車に乗れば玄関に立って丁寧に見送りをしてくれる、また寄らしてもらいますと心に呟き出発。男山酒造から30分走れば、会津西街道道の駅たじまに到着。飲まないと決めていた私も、男山酒造で試飲したので、もう運転は出来ない。


 今日の宿は、7月の鬼怒川の旅でも寄った道の駅湯西川から右に249号線を40分程走れば、その名も平家の庄、名の通り平家の落人伝説の宿だ。 


 道の駅湯西川に到着したのは12時、チェックインは午後3時、まだ時間があるので、一旦121号を更に南下し、川治湯元から裏廻りで湯西川温泉郷に入ろうと提案したが、響子ちゃんが却下、早いが向かうことにした。


 湯西川温泉に入る前に、湯西川水の郷道の駅があったので駐車したところ、吊り橋がある。名も水の郷大吊橋、鬼怒川周辺は吊り橋が多く鬼怒川の旅の時も、2ヶ所名の知れた吊り橋を渡った。そこで暫く休憩し、いよいよ湯西川温泉へ。


 宿泊の平家の庄は郵便局の隣、場所も確認したので、平氏所縁の品々が収納されている展示館の平家の里を見ることにした。平家の里で一番印象的だったのは、源平の手打ち式だ。


 何かその世界のような話だが、里の中で一番大きな建物で、積年の恨みを忘れ、共に未来を見つめようと、一同が記念写真に収まっている。湯西川温泉に行くには、幾つものトンネルを潜る。千年も前の時代であれば、源氏の追手を逃れて尾根伝いに逃れて来たことだろう。


 平家の家紋は蝶、この宿泊の平家の庄も蝶、3時少し前に駐車し、チェックインをする前に、哲也と響子ちゃんが中を覗いて、私にそれは渡さない方がいいかも、と。それは、挨拶代わりの、薔薇と花火の折り紙。


 そう、ではと荷物を持って一歩館内に入れば、驚愕の一言、言葉では尽くせない。


 若い女性の案内で通された部屋には内掛けが、10畳とベッド2台、広々としている。早速風呂に、誰もいない、宏ちゃんとのんびり、少し経って、入ってきた人、腹周り1メートル50センチはあろうか。


 露天風呂に来たので、思わず私は内風呂に移動、間もなく出て行ったので、また宏ちゃんと二人だけでのんびり、宏ちゃんが出て行ったあとは、哲也が、哲也が来たので、今度は私が風呂を出る。


 出入り口を開けて廊下に出たら、響子ちゃん、思わず響子ちゃんと声を掛けそうになったら、若い男が直ぐ横に、背格好が似ているので、そう思ったが、よく見れば若い女性、ともあれ声をかけなくて良かった。


 その若いカップルは露天風呂に、露天風呂というか、むしろそれは貸し切り風呂で、家族、夫婦がゆっくりと過ごせるよう6ヶ所程設置してある。部屋に戻れば、響子ちゃんも風呂に行ったらしく、宏ちゃんがいつものようにゲームをしている。


 川のせせらぎが気持ちよく、夕食までまだ時間があるのでのんびりと。今回ここの泊まり旅で今年は5回目。


 3月の京都、伊勢、5月の岩手、7月の草津、鬼怒川、去年も7回泊まったが、もうここまで来ると、贅沢が過ぎるのではないかと、ま、そんなことを思いながら過ごしていると、間もなく哲也と響子ちゃんも戻って来て、二人はいつものように外へ買い物がてら見物に。 


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