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寝巻き男の視点

俺は社会から外れた人間。誰が言い始めたかはわからないがニートと呼ばれている存在だ。


大学までの間なに不自由ないよう親父が金をだしてくれ、母親がいない事を除けばとても良い環境だったと思う。


苦労を知らない俺は無難な高校、大学へと進学し、無難な会社に入ろうと思っていた。



しかしすべてがそんなに上手くいくわけもなく就活に負けて部屋に引きこもるようになってしまった。



そんな俺に親父は小言は言うが無理やり働かせようとはしなかった。俺も無理に働かなくても親父の収入でやっていけるだろう、そう高を括っていた。


というのも親父は大企業、モータージェネラルに働いている。



モータージェネラルは日本トップの自動車製造会社で、世界26カ国への進出など今日本の経済を支えていると言えばこの会社以外他にはない、しかもモータージェネラルはまだ30代の猿渡という人が社長でなかなかのキレ者で有名だが、同時にフェミニンな事でも有名で自炊に裁縫などもするらしい。



その猿渡社長引き入るモータージェネラルに親父は次長として勤務していた。



もちろんかなり給料も良い反面激務である。



しかし親父は愚痴も言わずに帰って来たら俺の飯を用意する。


ニートをしていくにあたって俺に課せられている規則がある。

それは、こうして夜は必ず同じテーブルで飯を食べるということだった。


変なルールだがこのルールさえ守れば俺はニートとして不自由することはない。


親父の作る飯はいつも少し味は濃いが美味しく温かかった。


しかし最近は弁当を買ってきてそれを親父は電子レンジで温かくしていた。



正直弁当でも親父の作った飯でもどっちでもよかった。


親父はただ飯を作るのがめんどくさくなっただけだ。


そうおもっていた。


そして、俺は何気なしに近くのスーパーに行き働いている親父をみつけた。


最初は隠れて様子をみていた。



が、我慢できなくなった。



大企業で働いているはずの親父がスーパーで働いていること自体ムカついた。

でもそれ以上にムカついたのは若いやつにアゴで使われ、レジもやらせてもらえず、ひたすら商品の陳列にあたっていたからだ。


しかも相当なストレスなはずなのに俺には何も知らせていなかった。



それがムカついた。



ダンボールをたたんでいる親父に近づいて怒鳴り散らした。



親父は最初はコンコンと聞いていたが思うものがあったのだろう。


怒鳴り、殴ってきた。


少し嬉しかった。




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