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……えーっと、今俺は、天宮と一緒に下校している訳で…、ネットカフェ爆遊会館に向かってる。……授業をサボって。
「口では説明しきれないから、谷川君も必然的にEARTH・PERIODをプレイしてもらう事になるけど…。」
んんん!?俺、あんな恐ろしいゲームしなきゃならないの!?ぶっちゃけ嫌だ。だって……恐いじゃん。
「そんな恐がらなくても、大丈夫だよ。私も一緒にプレイするから。」
あっ…、どうやら、ビビっていたのが、顔に出てしまったようだ。そうか…、天宮も一緒にプレイするのか…。まあ、世界ランク1位の天宮がいれば、何とかなるか?
「わかった。俺も、EARTH・PERIODをプレイするよ。」
…言っちゃった。もう、後戻りはできないな〜。
〜ネットカフェ・爆遊会館〜
着いた。昨日とはまるで見え方が違う、爆遊会館。天宮はさっさと、店内に入って行ってしまった。俺も天宮の後を追って、店内に入る。すると、昨日と同じように軽い列が出来ていた。最後尾に、静かに並ぶ俺と天宮。
「今日はNPが欲しいから、とにかくやり込もうぜ。」
「俺は剛力と音無Gが欲しいから、NP全部それに突っ込む!」
「俺はNの塊が欲しいな〜。」
昨日いた二人組が、今日もいた。相変わらず、意味不明用語で会話している。……ほんっとにどこの国の言葉?
「なあ?天宮。前の二人組の専門用語って、EARTH・PERIODの言葉?」
「さあ?私も聞いた事がないよ…。」
………だよね。
「アシで報酬が激運になるから、素材が集まりやすいんだよな〜。」
「ネカフェガチャの防具も、高性能だしな。マジ、ネカフェ最高だよ!」
「ここ、ペイネットだからな。」
「「アハハハハハ!」」
……だから、笑うとこあったか?まあ、楽しそうだからいいんだけど。
「これは天宮様、ようこそいらっしゃいました。」
…また呆気に取られていたら、いつの間にか番が来ていた。天宮は馴れた様子で、店員と会話している。
「今日は、初プレイの彼がいるから……そうね、ビギナーフロントの模擬戦闘区域、53階にしてもらえる?」
「アダムに挑戦しないのですか?挑戦権利書は、昨日入手したのでは?」
「しばらくはいいや。今は、LV上げに専念する事にしたの。」
「そうですか…、かしこまりました。53階ですね?」
「うん、お願い。」
「あと、初プレイ者がいるのなら、職業リストを後でお届けしましょうか?」
「そうしてもらえると、助かるわ。」
昨日と同じように、店の奥に案内される。エレベーターの前まで来ると、店員がゆっくりと53階のボタンを押す。もちろん、地下53階だ。
「天宮、ちょっといいかな?」
「なに?」
「階によって、何が違うんだ?昨日は100階だったし…、何か違いがあるの?」
「うん、階によって、転送区域が異なるの。今日は、比較的初心者プレイヤーが集まる、初心者区域に行くから。」
…成る程、そういう事か。しかも、初心者区域ならば、危険もあまりないだろうから、安心だ。店員に案内され、エレベーターに乗り込む。俺と天宮が乗り込んだのを確認してから、最後に店員もエレベーターに乗り込んできた。……え〜、乗るのかよ。俺と天宮の、二人っきりの空間になると思ったのに…。……ちょっと残念。
「今現在のランキングに変動は?」
「ランキングに目立った変化はありませんが…、気になるプレイヤーが一人います。」
「どんなプレイヤーなの?」
「最近、急激にLVが上がり、ランクも19850位から、一気に140位までのし上がったプレイヤーがいるんです。」
「……よほどの実力がないと、そんな荒業みたいな事できないはず。才能が突出してるのかな?」
「……おそらく。」
……俺、完全に空気みたいな存在になってるじゃん。
チーン!
あっ、着いた。
「どうぞこちらへ。」
言われなくて降ります〜。よくも天宮と二人っきりの空間を邪魔してくれたな!……はぁ、なんか…小さい男だな、俺って。自分で言ってて恥ずかしくなってきた。
「うおぉお!?なんじゃこりゃー!!」